小林リズムの紙のむだづかい(連載534)

青林堂刊行の『「ガロ」という時代』に「月刊「ガロ」創刊50周年記念に寄せて わたしが魅せられた「ガロ」の漫画家たち」を執筆した。とりあげた漫画家たちは、つげ義春日野日出志白土三平池上遼一勝又進蛭子能収水木しげる滝田ゆう、の八人。百枚ほど書いて、頁数の関係で二十枚ほど削除した。今回の企画に関しては全面協力、わたしの友人たちにも声をかけて執筆していただいた。此経啓助、下原俊彦、山下聖美、猫蔵、荒岡保志各氏にお願いした。発売は今月の二十四日、ぜひご覧ください。



上製本・294頁。定価1800円+税。装丁・森嶋則子

清水正ドストエフスキー論全集』第七巻。2014年7月31日刊行。D文学研究会発行・星雲社発売。A五判上製585頁。定価7000円+税



清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。

清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

小林リズムの紙のむだづかい(連載534)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


清水正の著作はここをクリックしてください。

http://d.hatena.ne.jp/shimizumasashi/searchdiary?word=%2A%5B%C0%B6%BF%E5%C0%B5%A4%CE%C3%F8%BA%EE%CC%DC%CF%BF%5D


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。
小林リズムさんがエッセイ本をリンダパブリッシャーズ(http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru)から刊行することになりました。本のタイトルは『どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった八日で辞めた話』発売日四月五日。
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
小林リズムの紙のむだづかい(連載534)

【地上から離れたところで】

 

 生まれて初めてスカイツリーに登った。スカイツリーはムサシよろしく634メートルあるらしいけど、それはてっぺんの話で、実際に人間が中から眺めることのできる高さは350メートル前後の位置になる。それでもやっぱりてっぺんが333メートルの東京タワーよりはずっと高いし、高層ビルも車も遊園地も電車も、みんな小さなプラモデルみたいだった。浮んでいる雲のほうがずっと近い。観光客とかカップルやファミリーでごったがえしている後ろからこそこそ眺める。途中で、

< 地上258mにいて やっぱり君が好きだと思う >

 という加藤千恵さんの短歌を思い出したけど、高い場所だからといって頑丈な窓が設置されているしドキドキするわけでもなく、これといって愛を感じるわけでもなく、単純にやっぱりカトチエの短歌はいいなと思った。258メートルという微妙な数値もそうだし、地上から離れた場所にいる非現実感のうかうかした気持ちもそう。昼間より夜の景色を見たほうが絶対に綺麗だと思うけど、昼間に感じるシュールさとかわざわざ高いところまできてしまったこと、海外の観光客に混じりながら「すごい高い」しか言うことのできない率直さとどこか間抜けな感じは面白い。でもやっぱり、この短歌には負けるなぁ、と思ったり。

 カトチエの短歌で思い出したのだけど、彼女の作品のなかに、

< 飲みかけのジンジャエールと書きかけの詩を残したままそっと立ち去れ >

 というものがあって、私はそれがすごく気に入っていた。グラスに汗をかいた飲みかけのジンジャエールと、途中で放り出した書きかけの詩を残して立ち去るなんて、粋!素敵!と興奮して、高校の頃に学校の図書館の机にその短歌を書き残したりしていた。夏の図書館は扇風機が回っていたけど暑くて仕方なかった。きっと机にシャープペンで書かれたそれを読んだ人は「何これ?」って思ったかもしれないけど、そもそも図書館に通っている人も少なかったから気づいた人がいるのかもわからない。

 好きな短歌はそんな気がなくても頭のなかで暗記していて、似た景色に出会うたびに思い出したりする。でもたいてい、短歌に負けてしまう。作品に対する思い入れが強すぎるせいかもしれない。「今すぐにキャラメルコーンを買ってきて そうでなければ妻と別れて」も「この煙草 あくまであなたが吸ったのね そのとき口紅つけていたのね」も、秀逸すぎて現実のもののほうが負けてしまいそう。これから先、短歌に勝てる日はくるんだろうか。




小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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