小林リズムの紙のむだづかい(連載138)
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小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。リズムさんが「ミスID」2014に選ばれるように応援しましょう。
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紙のむだづかい(連載138)
小林リズム
【ワキ汗問題】
「カリスマなのに、あれはない!」
「正直、ドン引き…」「ないわー」
眠れない夜にひとりネットをうろついていたら、こんな書き込みに遭遇した。なんでも、某カリスマモデルが、テレビ番組のなかで身振り手振りをつかって話しているときに、ワキの汗染みを公開してしまったらしい。そんな、ワキ汗のシミくらいで「ドン引き…」って…。しょうがないじゃん、出るもんは出るんだから。世間の声ってホント、厳しいわー。モデルって大変そー。と思いながらその動画を再生したのだけど、真剣なまなざしで服について語っている最中に、バッと手をあげてオープンになるワキ汗のシミには確かに心を惹くものがあって、何度再生してもギョッとしてしまうのだった。この「ギョッ」としたときの胸の高鳴りを「ドキッ」と勘違いして、わたしはまったく憧れていなかったそのカリスマモデルを尊敬した。こんな真顔で自分のワキ汗に気づかないなんて、ちょっといいかも…。
なんだろう。当たり前なのだけど人間なのだから毛も生えるし汗もかくし、下痢にも便秘にもなるのに、叶姉妹だってロール状のトイレットペーパーを個室内でひっぱっているのに、そのどうしようもない真実をつけられたときの、大きな衝撃ってぬぐえない。えぇ、あんなにゴージャスなのにトイレットペーパー使ってるの。あぁ、でも薔薇の香りつきのトイレットペーパーなんだ。でも、そのトイレットペーパーを一ひっぱってちぎっているんでしょう?それで排泄したあと、拭くんでしょう?
みんな言わないだけ、見せないだけ。もしかしたら愛らしくてきゅんとするような笑顔を届けているあの女優さんだって痔になってしまってボラギノールに頼っているかもしれない。一流モデルだって「履きなさい」と渡されたハイヒールを「でもわたし水虫がまだ治ってない…」と思い悩んでいるかもしれない。
そういう裏で葛藤しているかもしれない可能性のことなんてすっかり忘れて、単純に人を枠にはめてしまう。「この子は可愛いから足はくさくない」って思うのと同じように「この子は笑っているから、怒ってない」「この子は強いから、傷ついていない」。そんなのは幻想なのだけど、不思議なことに現実だと思えてきてしまうのだった。
この顔でこの量の汗のシミを残すのか…!とびっくりされたカリスマモデルも、カリスマといわれるために全身脱毛をしているかもしれない。けれどお金も時間もたっぷりかけた脱毛をしたところで次に立ちはだかる壁が汗だなんて、あまりにも分厚すぎる。制汗剤とか、汗ワキパッドとか、また新しいアイテムを取り入れて汗を存在しないもの扱いしないといけないなんて、酷だ。
わたしはワキ汗のシミになんてまったく気づかずに、服についての持論をまくしたてる彼女が、人間らしく真剣で、まっとうで、美しくみえましたよ、うん。カリスマぶって気取って話しているときよりも、ずっと。
小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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