『世界文学の中の「ドラえもん」』九月に刊行

清水正への原稿・講演依頼は qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。
ここをクリックしてください エデンの南   清水正の林芙美子『浮雲』論連載    清水正研究室  
D文学研究会発行本   グッドプロフェッサー

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の第一話「未来の国からはるばると」の最初の見開き二ページに関して八十分の講義と、つげ義春の『チーコ』に関する講義がアップされています。下をクリックするとつながります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp
http://www.youtube.com/user/kyotozoukei?feature=watch

刊行予定の表紙のデザイン(決定版ではありません)

目次を紹介します
ドラえもん』論・序
ベトナムで人気の『ドラえもん
日芸の「マンガ論」その他で『ドラえもん』論展開 
なぜ『ドラえもん』なのか
批評は第一巻第一話に限った
第1頁第1コマの衝撃
コマ絵を執拗に読み解く
ディティールにこだわる
コマ絵にこめられた象徴的な意味
実存的な危機に陥った子供
実存の危機を見逃す読者
ガリ勉スタイル
ろくなことがない人生
不気味な予言
声はどこから 
部屋の間取り
不安と恐怖に立ち尽くす
実体的意識性錯誤から自己像幻視へ
〈分身〉の現出・ドストエフスキーの場合 
神をも超えた神の出現
分身〈ぼく〉の現出
のび太は死んでいる
のび太の復活
〈ぼく〉と〈ぼく〉の対面 
ドラえもん〉の青
ドラえもん〉の変更不可能なイメージ
ドラえもん〉に対面したのび太の衝撃的反応
賢治童話『どんぐりと山猫』の一郎とのび太
ドラえもん〉がのび太の〈分身〉だとすれば
母胎回帰と〈父殺し〉の問題
一郎の場合、〈父殺し〉は巧妙に隠されていた
銀河鉄道の夜』におけるオイディプス的野望とその挫折
カラマーゾフの兄弟』における〈父殺し〉 
深層テキストの読みの問題
運命(必然)と自由(偶然)
〈おそろしい運命〉の変更
未来からの訪問目的
作者の戦略
マンガの世界へ参入するためのお約束ごとを受け入れさせる。
定められた運命に不満
大人の現実認識
死即生の時空
罪と罰』を想起
三から四への秘儀
のび太の〈運命〉と年齢
のび太の〈運命の変更〉
のび太の願望
ジャーナリズムの不在
ドラえもん〉現出の謎
〈死と再生〉の〈ユートピア時空〉


ドラえもん』第一巻第一話
「未来の国からはるばると」を読む

ドラえもん〉という名前
部屋の中央に寝そべっている子供
のどかなお正月
今年はいいことがありそうだ
のび太の部屋は密閉空間──実存の危機
不気味な予言の言葉──幻聴
異形なるものの現出
ぼくはきみをおそろしい運命からすくいにきた
人の運命なんか、わかってたまるか!!
マンガの手法
運命(必然)と偶然(自由)
キリストとの決定的な違い
賢治の童話『どんぐりと山猫』との関連──のび太の野望
勉強を強いられた夢見る子供
のび太の願望の壷から現れてきた存在
のび太は独裁者か?!
のび太とカレの関係
必然と自由──『オイディプス王』との関連において
ぬいぐるみのような可愛らしいカレ──悲劇的運命とお餅
ぼくはゆめを見ていたんだ
ドラえもん』の人気の秘密
「おうい、ドラえもん。」──〈分身〉と実存の危機
のび太と同じ顔をした少年の出現
神が創造した絶対時間の相対化
神への反逆者と流行マンガ家
こわいゆめゆめを見たのね──のび太の両親の現実認識
死と再生の秘儀
 ラザロの復活
のび太の母胎回帰願望
運命の落語的オチ──〈ハネつき〉と〈首つり〉
〈マンガ〉は現実法則に忠実に従う必要はない
希望を捨てない〈できない子供〉
〈運命〉と反逆
強い者と闘わないのび太
〈火あぶり〉の落語的オチ
〈ツルリ〉──時間軸からの逸脱
未来を知ることは恐ろしいことだ
写真は誰が撮影したのか
運命は変えることだってできるんだから
〈運命〉と『ドラえもん』の作者
〈運命〉と〈運命の変更〉
神が創造した変更不能な絶対時間の拒否
新たな神となった作者
〈運命〉の変更をスリリングに体験
二十世紀の町を見物
空から落下したのび太の世界
世界中の子供たちに夢と希望を与えてくれるバイブル

ドラえもん』論余話
ドラえもん〉に性器はついていない
ドストエフスキーの文学の特質性
タイムマシンは〈絶対時間〉の概念を覆してしまう
虚構世界の〈ルール〉
現実的文脈で読めば
賢治童話『どんぐりと山猫』との関連
〈空想〉から〈虚構的時空〉への参入
欲望達成装置とその制御
永遠ののび太
世界の読者に支持される理由
二人で一人
ドラえもん〉に賦与された性格
ドラえもん〉はどのように登場したか
エンターティンメントとしての『ドラえもん
懐疑しないのび太と読者
死と復活の秘儀

あとがき