夏休み、図書館長おすすめ本は『罪と罰』

夏休みを前に、ぜひ読んでほしいのがドストエフスキーの『罪と罰』である。熱い熱い十九世紀ロシアの首都ペテルブルクで起きた殺人事件。犯人は二十三歳の元大学生ロジオン。彼は二人の女の頭上に斧を振りおろして殺害しながら、最後の最後までその〈犯罪〉に〈罪〉を感じることがなかった。彼は罪意識に襲われることなく、シベリアで復活の曙光に輝く。こういった名作は若いうちに熟読するにかぎる。ロジオンの〈犯罪〉と〈復活〉を現代に生きる〈一人の若者〉がどのように感じ受け止めるのか。熱い熱い日本で『罪と罰』を読んで肝を冷やそう。