「文芸比評論」から福島泰樹氏の絶叫コンサートへ

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「文芸比評論」(2010/6/29)はフランクフルト大学の学生で、暗黒舞踏研究のために日本滞在中のサーシャ(アレクサンドラ・イヴァーノヴァ)に参加してもらい、授業の終わり近く、『罪と罰』のソーニャによる「ラザロの復活」の場面をロシア語で朗読してもらった。初めてロシア人による生のロシア語を耳にした学生たちは、ロシア語の魅力も強烈に感じたようだ。サーシャの朗読がすばらしかったという感想も多かった。
この日は授業終了後、研究室にはサーシャの恋人ルーディをはじめ、受講生やゼミの学生が集まり、親交を深めた。五時過ぎに大学を出て江古田の蕎麦屋で夕食をとり、大泉学園駅からバスで吉祥寺駅まで。目指すは「スター・パインズカフェ」である。ここで福島泰樹 短歌絶叫40周年記念コンサート 遥かなる友へ 追悼 立松和平が開催されているのだ。

清水正著『土方巽を読む』のチラシ     福島泰樹・絶叫コンサートのチラシ

チラシには「福島泰樹の短歌には、また彼の肉声が奔放に疾駆する絶叫コンサートには私たちの魂を揺さぶる根源的な力がある」(立松和平)と書かれている。久しぶりに魂が揺れ、全身の血が騒いだ。福島氏のコンサートにいくたびに感じるのが、メンバー一人一人のすばらしさだ。ドラム・パーカッションの石塚俊明、ギター・ボーカルの龍、尺八・横笛の菊池雅志、ピアノの永畑雅人。私とほぼ同年代のミージシャンたちであるが、彼らの発する音には色気というか、魂をくすぐるエロスが放出している。タマンネエナ、という感じがするのだ。しかも、この日は九州出身の舞踏家・白川麻衣子も出演し、魅惑的な舞で私の眼を奪った。暗黒舞踏の研究者サーシャの魂も激しく揺さぶられたようだ。第二部、龍の魂迸る歌唱は圧倒的な迫力であった。福島泰樹の絶叫コンサートは、出演者全員の「魂の共有体」を強烈に体感させる。福島さんの元気いっぱいの姿に接していると、改めて自分の仕事をきちんと続けようと思う。会場を出ると小雨が降っていて、火照ったからだに心地よかった。


清水研究室でサーシャとルーディ

清水研究室で親交を深める。

江古田の蕎麦屋で「たぬきそば」と「きつねそば」を食べる二人。

コンサート会場で。左はサーシャとルーディを福島泰樹絶叫コンサートに招待した山下聖美さん。

コンサート会場で話すサーシャと舞踏家の白川麻衣子さん。

福島泰樹 短歌絶叫40周年記念コンサート」のポスター。