「マンガ論」第七回(2010/6/7)・「マンガ論」第六回(2010/5/31)

清水正の林芙美子『浮雲』論連載 
 清水正研究室

エデンの南

「マンガ論」第七回(2010/6/7)は、つげ義春の「ねじ式」の二回目。テキストによって絵が違ったり、字が違ったりしていることを指摘。主人公の顔がやさしくなっていたり、一本足が二本足に、「眠科」が「眼科」に書きかえられたりしていること。有名な「メメクラゲ」が、「××クラゲ」であったりしたことなど、テキストは宮沢賢治ばかりではなく、つげ義春の場合も一筋縄ではいかない。今回もまた演劇学科演技コースの学生さんたちに熱演してもらった。シュールな前衛演劇にも成りえるつげ漫画を満喫。






ねじ式」を熱演した演劇学科の面々

受講生の感想

今日初めて『ねじ式』を読んだのですが、(前回出ていなかったので)前回やった『チーコ』や『古本と少女』と、絵柄も話の内容もまったく異なっていたので衝撃的でした。
他のつげ義春作品も読んでみたいです。
(文芸 眞柄冬音)


カムイ伝』が面白かったです。2回目の女医さんはすてきな声優になると思います(笑)声がエロス(^q^)ノ
(文芸 河野加奈)


無表情、無感情のシュールな雰囲気が合う芝居でした。特に台詞に大きな意味はなくて、全く違う角度からの視点で意味があらわれているので難しいです…!
(演劇 飯野愛希子)


ねじ式』は全体的にシュールでしたが、特に金太郎アメのくだりが笑えました。演劇学科の人によって演じられたこのシーンは、シュールさとテンポ感が見事で、非常に面白かったです。こんな面白い授業を受けるのも、日芸ならではだな、と思いました。
(文芸 亀本実世)


演劇学科の演劇を見て思ったことは、やはり文で見るのと実際に目の前で音声、3Dで見るのとでは印象が違ってくるな、ということです。
1つのマンガから、それぞれ個人の感じ方をもって表現していく…ということの面白さを感じました。
毎回、このような時間を設けていただけると嬉しいです。
(美術 石井悠子)


黙読よりも音読の方が雰囲気あるなと思いました。
(演劇 小沼和)


眠科と眼科なら、私も直さずに眠科のままで良かったと思います。眼科としてしまうより、眠科の方が、この『ねじ式』の不思議で無気味な世界観にあっていたと思います。
2組の『ねじ式』の演技は、組によって『ねじ式』が全く違うものに見えて面白かったです。
(文芸 伊藤景)


2回目の女医さんの声が色っぽくて素敵でした。『ねじ式』自体はマンガで読むと不思議な世界すぎて気味悪かったですが、演技にするとなんだかコミカルでした。
(放送 中島範恵)


演劇学科の人達は本当にすごいなと思いました。このシュールな『ねじ式』という漫画を演じるのはすごく難しいことだと思うけど、演劇学科の人達は即座に役作りをして、シュールな世界観を立体化していて、漫画として読む以上に楽しめました。
(文芸 三矢日菜)


演じる人によって、一人の登場人物でも色々なとらえ方があるんだなと思った。また、同じマンガの同じシーンでも絵が異なっており、読み比べてみると面白かった。『ねじ式』の次は何のマンガをやるのか楽しみです。
(放送 藤岡晃維)


さすがの演劇学科、演技が上手い。おばあさん役が上手いと思った。それと左うしろの演劇学科の人々、静かに演技を見て欲しい。
夢を元にしただけあり、不気味な話だった。
(美術 櫻井ゆきみ)


青年の役はもっと淡々と静かにしゃべった方が、不気味な世界観が表現できると思った。脚本にしたら芸術性の高い良い作品になるのではないかと思った。
(文芸 村上絵梨香)


この話がつげ義春の夢から作り上げられたものなら「眠科」でもおかしくない、というか確かに「眠科」の方がピンとくるし、話がもっと深くなる。演劇学科の演技も圧巻でした。
(文芸 中村光


今日、はじめて、前に出て演技しました。実際、声に出して演技すると全く違う見方が出来、とてもおもしろく新鮮でした。
(演劇 倉科史典)


何度も役者として使ってもらえて嬉しかったです。よろしくお願いします。
やっているうちにこの台詞でどう遊ぶか、というところが楽しくなってしまいました。演技楽しい。
(演劇 大嶋麻沙美)


主役の男を演じてみるとマンガの世界観が少しだけリアルに感じることができた。
(演劇 新井俊一)


初めて演劇学科生として前に出たけどすごく楽しい。またやってみたい。
この作品はシュールであり色気のある作品だと思う。まさか眠科にあのような意味があったとは。女医役楽しかったです。
(演劇 森永志音)


演劇学科のみなさんの演技がすばらしかった。でも、実は『ねじ式』の解明をもう少しお聞きしたかったです。なにはともあれ、楽しかったです。
(文芸 北村哲士)


演劇学科の方々による演技はとても面白かったですが、『ねじ式』の、もう少し掘り下げた話をもっと聞きたいです。
(放送 羽佐間桃子)


この作品はとにかくシュールですね。演じてみてもやはりシュールでした。いいと思います、こういうのも。
(演劇 石井絵理香)


やっぱり演劇学科の人がやると臨場感?が出るなあと思いました。
夢を基にしてるってところで、シュールな感じも納得できました。
(文芸 中島沙耶香)


小さい編集でも、作品全体として、大きい違いができるのを見て編集の威力を感じました。
演技よかったです。
(文芸 張俊熙)

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「マンガ論」第六回(2010/5/31)

つげ義春の「ねじ式」を取り上げる。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」、ソフォクレスの「オイディプス王」などの作品に触れ、つげ義春における父殺し願望と胎内回帰願望との関連について講義する。

受講生の感想
エディプスコンプレックスは、前々からフロイトについて興味を持っていたので知っていましたが、今日詳しい話を聞くことが出来たので良かったです。『ねじ式』についてですが、画調、線の描写などの半端なリアリティがより不気味な印象を助長していると思いました。これは、意図的なモノであるとは感じていましたが、少年の顔全体にそのような深い意味が秘められている・・・という見方もできるというのは面白いですね。
(美術 石井悠子)


マンガ論『ねじ式』で『銀河鉄道の夜』の話が聞けるなんてびっくりです!!次回も先生の切り込み方に期待します。
(文芸 粼田麻菜美)


今日は『チーコ』とは違った絵のタッチで話の内容が濃かったです。飛行機の存在や、少年の顔つきについてもなるほどと思うことが多かったです。『銀河鉄道の夜』を最後まで読みたいです。
(映画 小野寺志織)


最初に読んだ時はただただ気持ち悪いと思いました。エロティシズムの描かれ方も私には合いませんでした。最後のオチは主人公が生まれ変わるのかなーと思って読んでいたら違っていたのでモヤモヤしています。あ、あとジョバンニの母親が亡くなっているということにも驚きました。
(放送 江越美紀)


ねじ式』は...いろいろと意味がわからなくて読みながら「?」を飛ばしていました。とりあえず、先生の声を聞いて眠くなりません私は。α波というよりは、アドレナリンが放出されている気がしますよ、先生の声。
(演劇 小沼和)


ねじ式』を初めて読んだ時、不気味でよく分からない話だと思いましたが、先生が1コマ目の解説をした時に、これはただの不気味なだけの作品ではないんだ、と分かりました。次回から、この作品が私の中でどのように変わっていくかが楽しみです。
(文芸 伊藤景)


なんてシュールな・・・というかなんて強烈な漫画なんだろうと思いました。この漫画がどういったことを象徴しているのかすごく気になります。
(文芸 三矢日菜)


不気味でシュールな話だなあと思いました。今までとまったく違う画風だったので同じ作者の方かと疑いました。読んでいて面白く感じました。
(文芸 中島沙耶香)


この少年は気味が悪いけど人間が持つ黒い欲望みたいなのが抑えきれない人として描かれていると思えば少し変わった人間レベルで、私たちと何ら変わらないのだと思う。それにしてもホラーみたいで怖い。
(演劇 森永志音)


今日、帰ってすぐ『銀河鉄道の夜』が読みたくなりました。
(文芸 張俊熙)


ねじ式』のパロディ(赤塚不二夫)しか読んだことがなかったが、初めて読んで非常に惹かれた。これからの授業がとても楽しみだ。
(文芸 大野純弥)


一コマ目の男の立ち位置、ポーズなどが、『ヴィーナスの誕生』のそれで、波のしぶきは泡、波形は貝のように見える。たしか、あれも性的意味を含んでいたはずだ。
(文芸 塚本彬雄)


カラマーゾフの兄弟』『銀河鉄道の夜』読もうと思います。『ねじ式』は真っ暗な印象を受けました。母の存在って大きいんだなぁと、と。
(演劇 福原由加里)


久しぶりに『ねじ式』を読みました。今日の授業は先生の人生観に裏打ちされた文芸論(芸術論)と受け止めました。「母」に関する事柄は特に興味を持ちました。元気が出ました。
(文芸 北村哲士)


授業内でこの少年には情欲が隠されている、と話されていましたが、この事実は初見では絶対に気付くことができないと思いました。官能シーンでも性的感情を感じ取れなかったので・・・・・・。
(文芸 藤塚玲奈)


ねじ式』、本当に難関でした。もっと詳しく知りたいです。このままだと眠れません!!
(演劇 飯野愛希子)


銀河鉄道の夜』はもう何回読んだかわからない。ますむらひろしの猫版アニメ映画も、プラネタリウム作品も色々観ました。みなそれぞれにイメージや解釈が違っています。
(文芸 平賀晴香)