「雑誌研究」第六回目は暗黒舞踏

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「雑誌研究」第六回目(2010/5/28)は暗黒舞踏の講義

暗黒舞踏研究のためドイツから留学生サーシャ(アレクサンドラ・イヴァーノヴァ/Александра Иванова)が訪ねて来ていたので、急遽、暗黒舞踏創始者土方巽大野一雄の話をしながら、放送学科の秋田くんとサーシャにも舞踏演技をしてもらった。サーシャにはお礼の意味もこめて私家版『土方巽を読む』『ドストエフスキー罪と罰」の世界』『現在進行形の「罪と罰」』、土方巽特集の「江古田文学」をさしあげた。

なぜ、この日サーシャがわたしの研究室を訪ねて来たのか、その経緯はTASの藤野くんが「日芸マスコミ研究会」のブログにいずれ書くと思うのでhttp://www.blogmura.com/profile/00472226.htmlぜひこちらも見てください。いろいろな偶然が必然となった経緯がわかると思います。

授業風景

土方巽特集号の「江古田文学」を手に暗黒舞踏を語る。







授業での舞踏演技。サーシャと秋田くん。
復活の曙光に輝く瞬間のロジオン・ラスコーリニコフと、実体感のある幻像ソーニャを演ずるサーシャ。

サーシャと秋田くん。

アカデミヤ版ドストエフスキー全集第一巻の『貧しき人々』を朗読するサーシャ。
サーシャは母国語のロシア語のほか、ドイツ語、フランス語、英語、ラテン語、日本語に堪能な俊英で、日本には暗黒舞踏の研究のために来ている。七月にはドイツへ帰る予定。日芸にはまた来てくれるそうです。

清水正研究室で。サーシャと記念撮影。


実存ホラー漫画家の日野日出志先生とサーシャ。

日芸の前で。サーシャと記念撮影。

受講生の感想
前で演じて下さった2人の演技が迫真もので驚きました。
(放送 吉田真子)


舞踏を1度観たことがあったのですが、昔ぼんやりみていたものにここまでの理論があったとはと思い感銘を受けました。
(演劇 山内晶)


土方巽というと、私の好きな映画を思い出します。石井輝男の『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』です、私の人生でみた映画の中で1番好きな映画です。2年次にはこの研究をしました。土方巽は、こんなことを言ったら怒られそうですが私には萌えです。
(映画 伊藤絵里加)


舞踏をちゃんと見たことがないので、サーシャさん達が実演してくれて、すごく迫力がありました。先生はいろんなことを知っていて何者なんだろうと思いました。
(映画 秋山美帆)


様々な愛の形を言葉だけではなく体を使って演技している様子は面白かったです。これから出てくる様々な愛の場面もぜひ、演技や映像で“感じたい”と思いました。
(文芸 飯田碧)


演技がすごかった。舞踏の歩き方も優雅ですてきだった。
(デザイン 原あゆみ)


言葉や、物事を、300年先に伝えるのか、今だけで良いのかなどの話がおもしろかったです。演技一つを取っても、色々と工夫があるのだなあと思いました。
(美術 長岡茉里奈)


今まで漠然と『罪と罰』がすごい本だなと思っていましたが、今日のお話を聴いて、そのすごさが改めてわかりました。もう一度、今日のことを意識しながら読み直そうと思いました。
(放送 鈴木秀貴)


死の果ても生の果ても考えるとおもしろいですね。車のタイヤのように動の極地が静かになるように。
(文芸 新見圭太)


世界には、まだまだ私が知らないことがたくさんある。すぐ先のことを考えるか、300年先のことを考えるか。後者のような人になれたらなと思った。
(放送 米村夏美)


舞踏の歩き方の違いなど初めて見るものがいっぱいで楽しかったです。
(演劇 吉川菜歩子)


サーシャさんが来ていたため、いつもと違った話が聞けてよかった。演技もあって面白かった。“歩くだけで表現する”といった、舞踏のビデオを是非見てみたい。どうやって歩いているのか、気になります。
(映画 吉田奈々)


演技にぞっとしました。反面、舞踏(死)をみて自分の生きていることのすばらしさを再確認できた気がします。
(文芸 小山剛史)


秋田くんの動きがだんだん変わっていき、最終的に見入ってしまいました。言葉の力を感じました。
(放送 山岸晃華)


“理性と意志”はそう簡単に答が出せそうにないと思った。“何が正しいのか”と考えているうちはまだ未熟なんだなぁとも思った。サーシャさんがとても美しかった!!
(音楽 中條晃枝)


舞踏の精神や肉体の使い方など、もっとくわしく知りたいと思いました。死の世界から始まるという所に興味がわきました。
(演劇 楢粼夏海)