文芸誌「新潮」を読む。かならず読むのが大澤信亮の連載「小林秀雄」で、これは8月号で87回となっている。
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近況報告
文芸誌「新潮」を読む
今現在、日本では文芸誌として「群像」「文学界」など刊行されているが、わたしは「新潮」しか読んでいない。大学での授業は対面ではなく、大学院での授業は電話で行っている。大学へは今年、二回しか行っていない。図書館、資料室に顔を出すこともないので、文芸誌を手に取ることもない。ということで、「群像」や「文学界」でどのような作品が掲載されているのか知らない。
「新潮」はわたしの主催するD文学研究会が発行する著作の広告を表2に載せていることもあり、毎月送られてくる。全部を読む気力も暇もないので関心のあるものだけ読むことにしている。
かならず読むのが大澤信亮の連載「小林秀雄」で、これは8月号で87回となっている。大澤の小林秀雄論を最初に読んだのは2013年4月号の「新潮」に掲載された「小林秀雄論──日本の批評」であった。わたしはこの時、仲間と一緒に台湾旅行中で、飛行機の中やホテルで読んだ記憶がある。この号は「没後30年特集 2013年の小林秀雄」として組まれた。わたしはこの時から大澤信亮に注目し、彼の小林秀雄論の連載を読み続けているのである。正宗白鳥のキリスト教に関する検証あたりから改めて興味を持って読んでいる。日本人におけるキリスト教信仰の問題は今まで本格的に論じられてきたのだろうか。正宗白鳥の正直さと回心の問題は面白い。
さて8月号に掲載されたもので読んだのは沢木耕太郎の「天路の旅人」と坂本龍一の「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」である。両氏の作品は初めて読んだ。前者はかなり読みやすかった。後者はインタビューでの話を編集部でまとめたということだが、これも面白く読めた。
旅にかられる人間はいったい何にかられているのだろうか。わたしは精神宇宙への旅立ちには関心があるが、実際に旅することにはほとんど関心がない。一年のうち必要に迫られて二十回ほど部屋を出るだけ、あとは部屋に閉じこもっていてもなんら不満に思うことはない。
坂本龍一はがん治療のただなかにあってこの作品を表している。たまたま『ベラミ』の中で、タイトルと同様のセリフにであったので引用しておこう。ベラミの元戦友で友達のフォレスチェが死を間近に控えたある日、ベラミと妻を前に次のように語る「こんな夕日が、もうあと何遍見られるだろうなな?‥‥八遍‥‥十篇‥‥十五遍か二十遍‥‥ことによったら三十遍か‥‥、それから上は駄目だな‥‥君たちは、まだ先が長い‥‥僕は駄目だ‥‥そしてこういう光景は続いて行くのだ‥‥俺が死んだ後でも、俺が生きているのと同じに‥‥」(岩波文庫 杉捷夫訳)
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「清水正研究」No.1が坂下ゼミから刊行されましたので紹介します。
令和三年度「文芸研究Ⅱ」坂下将人ゼミ
発行日 2021年12月3日
発行人 坂下将人 編集人 田嶋俊慶
発行所 日本大学芸術学部文芸学科 〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1
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