『清水正・宮澤賢治論全集』第二卷の目次
『やまなし』をめぐって
『二十六夜』をめぐって
だれが見ているのか、何を見ているのか/ 〈梟〉から想起するもの/ 「諸の悪業を作る」現実と、《汽車の音》/ 正体不明の《黒いもの》/ 〈大の字〉と〈十の字〉/ 〈お経〉と〈穂吉〉/ 人間に捕まった〈穂吉〉/ 二十六夜ーー死と再生ーー/ 《汽車の音》と〈離苦解脱の道〉/
『雁の童子』をめぐって
はじめにーーわたしの批評方法に関してーー/ 〈私〉は物語の語り手/ 巡礼の老人に語りかける〈私〉/ 巡礼の老人が語る話(1)ーー〈写経〉の須利耶と、〈鉄砲〉の従弟/ 巡礼の老人が語る話(2)ーー現実的なレベルから非現実的なレベルへーー/ 巡礼の老人が語る話(3)ーーさまざまな疑問ーー/ 巡礼の老人が語る話(4)ーー〈前のお母さん〉をめぐってーー/ 巡礼の老人が語る話(5)/ 巡礼の老人が語る話(6)/ 巡礼の老人が語る話(7)/ 巡礼の老人が語る話(8)/ 巡礼の老人が語る話(9)/ 巡礼の老人が語る話(10)/ 巡礼の老人が語る話(11)/ 巡礼の老人が語る話(12)/ なぜ、この老人が語る話が〈尊い〉のか/ 〈巡礼の老人〉は〈須利耶〉/
『マグノリアの木』をめぐって
霧の中/ 私の景色/ 幼児期退行の夢/ エロスの文脈で読む/ 〈サンタ、マグノリア〉は〈サンタマリア〉/ 〈マグノリアの木〉は〈寂静印〉/
『インドラの網』をめぐって
『十力の金剛石』をめぐって
『車』をめぐって
主人公の名はハーシュ/ 様々な暗号/ 謎また謎の連続/ 胎内回帰願望とその挫折(1)/ 胎内回帰願望とその挫折(2)/
『月夜のけだもの〔初期形〕』をめぐって
〈檻の中〉の〈けだものども〉/ 〈けだものども〉の〈夢の中の出来事〉ーー〈金頭のステッキ〉を持った〈獅子〉と、〈白いもの〉の対話をめぐってーー/ 試みられる獅子大王ーー〈獅子〉と〈狐〉の
対話をめぐってーー/ 獅子大王の〈疑心暗鬼〉と、狸の〈呑気〉ーー〈獅子〉と〈狸〉の対話をめぐってーー/ 狐に寛容になれない獅子大王ーー自己欺瞞に気づかない獅子大王ーー/ 獅子大王と象ーー獅子大王との闘いを回避するものばかりーー/ 〈まっくろな大きなけもの〉と〈黒い山へ沈む十日の月〉/
『さるのこしかけ』をめぐって
異界参入の秘儀/ 楢夫の眼前に現れた小猿たち/ 楢夫が気にしていることーー〈大きさ〉〈勲章〉〈地位〉〈年齢〉ーー/ 小猿は《或る何ものか》の化身ーー楢夫を〈いゝ所〉へと誘惑する小猿の大将ーー/ 誘惑に弱いタイプーー『黒ぶだう』の仔牛との関連においてーー/ 〈いゝ所〉とは〈母胎〉/ 〈てっぺん〉に到達できない楢夫ーー《或る何ものか》による〈試み〉ーー/ 異界の時間ーー最大急行で〈小さな明地〉へ/ 〈こゝ〉は〈種山ケ原〉/ 楢夫の〈好奇心〉/ 〈胴上げ〉と〈落下、と〈山男〉/
『種山ケ原』をめぐって
ーーオイディプス的野望の文脈で読み解くーー
『なめとこ山の熊』について
〈なめとこ山〉とは/ 〈淵沢川〉とは/ 『貝の火』との関連/ 〈なめとこ山〉と〈熊〉/ 〈何だかわけのわからない白い細長いもの〉/ 〈語り手〉の心象風景/ 〈淵沢小十郎〉とは何者だーー母胎回帰の予行演習ーー/ 淵沢小十郎は〈一人〉ではない/ 〈語り手〉の確信ーー゜なめとこ山あたりの熊は小十郎をすきなのだ。」ーー/ 因果と諦念ーー「仕方なしに猟師なんぞしるんだ。」ーー/ 残酷な光景を語らない語り手=僕/ 〈登り口〉を間違えた小十郎/ 山の中の〈異界〉ーー母熊に寄り添う〈小熊〉ーー/ 〈母子一体〉の理想ーー小十郎の心の深層ーー/ 賢治か描き出す〈悪人〉の典型/ 小十郎の〈善良さ〉/ 淵沢小十郎の家族1/ 〈メルヘン〉の世界/ 熊は小十郎の分身的存在/ 〈語り手〉の叙述戦略/ 小十郎の家族2/ 〈水〉と〈死〉/ 〈一疋の大きなやつ〉/ 美しい光景の中で〈事件〉は突然起こる/ 小十郎の〈慢〉/ 〈嵐のやうに黒くゆらいでやって来た〉もの/ 〈青い星のやうな光〉/ 〈黒い大きなもの〉と〈氷の玉のやうな月〉/ 絶対至福の無/
『いてふの実』について
〈そらのてっぺん〉から〈丘の上〉の〈一本いてふの木〉へ/ 〈いてふの実〉の〈旅立ちの日〉/ 〈黄金色の子供〉は「どんな所へ行くのか」/ 〈一番〉を志向する〈木の一番一番高い処に居た二人〉/ 〈黄金色のお星さま〉になりたいという願望が★付箋文★ハラむ諸問題/ 〈ばけ物〉退治に隠された秘密/ 〈旅立ち〉の試練と現実/ ユートピア(希望)と現実/
『虔十公園林』をめぐって
いつもわらっている虔十/ 〈笑はないふり〉をする虔十/ 〈風〉と〈光〉に感応する虔十/ 〈ばか〉な虔十/ 〈杉の苗〉を植えようとする虔十ーーデクノボー(無垢な自然児)からの逸脱ーー/ 虔十と平二ーーデクノボー虔十に加担する語り手ーー/ 怒りにかられた平二と無抵抗の虔十/ 虔十の死後/
『竜と詩人』をめぐって
〈竜〉と〈詩人〉/ 〈一人の立派な青年〉と〈ミルダの森〉/ 〈わかもののスールダッタ〉と〈ミルダの森〉の〈誰か〉/ 〈尊ぶべきわが師の竜〉の〈あのうつくしい歌〉/ 〈設計者スールダッタ〉/ 「尊敬すべき詩人アルタに幸いあれ」ーースールダッタの〈傲慢〉の無化と、〈同一〉即〈異〉の詩歌哲学ーー/ 〈一つの小さな赤い珠〉ーー〈己の力を試みる〉ことの〈罪〉と〈罰〉/ 自分を神(創造主)と同等と考えるスールダッタと宮沢賢治ーースールダッタを誘惑する悪魔(老竜チャーナタ)ーー/
『花椰菜』を読む
『とっこべとら子』を読む
『よく利く薬とえらい薬』をめぐって
『林の底』について
〈私〉とは何もの?ーー森の中のトリックスターーー/
『めくらぶだうと虹』をめぐって
『マリブロンと少女』をめぐって
『蛙のゴム靴』をめぐって
『気のいい火山弾』をめぐって
『ツェねずみ』をめぐって
『鳥箱先生とフウねずみ』をめぐって
『クンねずみ』をめぐって
『雪渡り』を読む
ーー白狐の紺三郎は子供と読者を騙したーー
小狐今三郎の正体は?/ 紺三郎の術中に落ちた〈四郎〉と〈かん子〉/ 子供の〈死〉を内包したキックキックトントン/ 「雪渡り その二(狐小学校の幻燈会)」を読む/
『黄いろのトマト』を読む
タイトル/ 博物局十六等官キュステ誌/ 四疋の蜂雀/ 〈私〉に語りかける蜂雀/ ペムペルとネリーー二人きりの至福の世界ーー/ 泣きだす〈私〉と番人のおぢいさん/ 巧妙な〈語り手〉蜂雀ーー〈奇体に黄いろ〉なトマト/ 〈或る何ものか〉の現出/ 〈語り手〉の種明かし/ サーカス団の興業場所/ 〈うち〉へと向かうペムペル/ 黄いろのトマトーーサーカスへの入場を拒まれた〈かあいさう〉な二人ーー/ 永遠の闇の中に佇む二人/ 追記 二人だけの世界ーー〈親殺し〉の共犯者ーー/ 〈四〉という数字/
『猫の事務所』を読む
『猫の事務所』とは何なのか/ 猫の第六事務所/ エリートとしての書記/ 四番書記の〈かま猫〉/ 大きな事務所/ 〈ぜいたく猫〉の登場/ 憎まれていた〈かま猫〉/ 〈かま猫〉の努力ーー嫉妬の前に無力な善意ーー/ 〈かま猫〉に同情する語り手/ 〈かま猫〉の秘密/ 足のつけねを腫らした〈かま猫〉/ 策謀にはまった事務長/ 完璧に無視される〈かま猫〉/ 〈かま猫〉の罪と罰/
『鳥をとるやなぎ』を読む
『谷』を読む
『二人の役人』を読む
『シグナルとシグナレス』を読む
『氷河鼠の毛皮』に関して
『なめとこ山の熊』
ーー母胎回帰とオイディプス的野望の文脈からーー
〈春の修羅〉が『春と修羅』を読む
『ビヂチリアン大祭』序論
心象スケッチ「原体剣舞連」と舞踊
ーー賢治の詩に触発された勅使河原三郎の舞踊をめぐってーー
他者からの目
ーー加藤直・構成演出『宮沢賢治・大運動会』を観るーー
NAP「周辺飛行」をめぐって
ーー演出家の快楽と虚無ーー
『やまなし』をめぐって
初出:「Д文学通信」191号(1993年5月24日)。『宮沢賢治・不条理と母性ーー「やまなし」をめぐってーー』(1998年9月19日 D文学研究会)に収録。
『二十六夜』をめぐって
初出:「Д文学通信」325号(1998年4月10日)〜329号(1998年4月13日)
『雁の童子』をめぐって
初出:「Д文学通信」330号(1998年4月14日)〜334号(1998年4月118日)
『マグノリアの木』をめぐって
初出:「Д文学通信」335号(1998年4月9日)〜336号(1998年4月20日)
『インドラの網』をめぐって
初出:「Д文学通信」337号(1998年4月21日)
『十力の金剛石』をめぐって
初出:「Д文学通信」338号(1998年4月22日)〜339号(1998年4月23日)
『車』をめぐって
執筆:1996年3月6日〜10日
初出:「Д文学通信」352号(1998年5月6日)〜353号(1998年5月7日)
『月夜のけだもの〔初期形〕』をめぐって
初出:「Д文学通信」357号(1998年5月11日)〜361号(1998年5月15日)
『さるのこしかけ』をめぐって
初出:「Д文学通信」381号(1998年6月4日)〜384号(1998年6月7日)
『種山ケ原』をめぐって
ーーオイディプス的野望の文脈で読み解くーー
初出:「Д文学通信」385号(1998年6月8日)〜390号(1998年6月13日)
『なめとこ山の熊』について
初出:「Д文学通信」392号(1998年6月13日)〜397号(1998年6月13日)
『いてふの実』について
初出:「Д文学通信」398号(1998年6月13日)〜400号(1998年6月13日)
『虔十公園林』をめぐって
初出:「Д文学通信」417号(1998年6月14日)〜420号(1998年6月14日)
『竜と詩人』をめぐって
執筆:1997年7月17日〜27日
初出:「Д文学通信」421号(1998年6月15日)〜423号(1998年6月17日)
『花椰菜』を読む
執筆:1998年4月3日〜9日
初出:「Д文学通信」432号(1998年6月26日)〜435号(1998年6月29日)
『とっこべとら子』を読む
執筆:1998年5月22日〜6月1日
初出:「Д文学通信」436号(1998年6月30日)〜439号(1998年7月3日)
『よく利く薬とえらい薬』をめぐって
執筆:1998年6月1日〜16日
初出:「Д文学通信」440号(1998年7月4日)〜445号(1998年7月9日)
『林の底』について
執筆:1997年7月13日〜16日
初出:「Д文学通信」446号(1998年7月10日)〜447号(1998年7月11日)
『めくらぶだうと虹』をめぐって
初出:「Д文学通信」448号(1998年7月12日)〜450号(1998年7月14日)
『マリブロンと少女』をめぐって
執筆:1997年7月4日〜8日
初出:「Д文学通信」451号(1998年7月15日)〜452号(1998年7月16日)
『蛙のゴム靴』をめぐって
執筆:1998年7月8日〜18日
初出:「Д文学通信」458号(1998年7月22日)〜464号(1998年7月28日)
『気のいい火山弾』をめぐって
執筆:1998年7月18日〜23日
初出:「Д文学通信」465号(1998年7月29日)〜469号(1998年8月2日)
『ツェねずみ』をめぐって
執筆:1998年7月24日〜29日
初出:「Д文学通信」475号(1998年8月8日)〜478号(1998年8月11日)
『鳥箱先生とフウねずみ』をめぐって
執筆:1998年7月29日〜8月2日
初出:「Д文学通信」479号(1998年8月12日)〜482号(1998年8月15日)
『クンねずみ』をめぐって
執筆:1998年8月5日〜13日
初出:「Д文学通信」484号(1998年8月17日)〜488号(1998年8月21日)
『雪渡り』を読む
ーー白狐の紺三郎は子供と読者を騙したーー
執筆:2003年8月29日〜9月9日
初出:「Д文学通信」1051号(2003年10月3日)。『ケンジ童話の授業 「雪渡り」研究』(2005年5月20日 D文学研究会)に収録。
『黄いろのトマト』を読む
執筆:2003年9月19日〜2004年2月25日
『猫の事務所』を読む
執筆:2005年3月7日〜13日
『鳥をとるやなぎ』を読む
執筆:2005年3月27日〜29日
『谷』を読む
執筆:2005年3月31日〜4月2日
『二人の役人』を読む
執筆:2005年4月4日〜7日
『シグナルとシグナレス』を読む
『氷河鼠の毛皮』に関して
執筆:2006年10月3日〜29日
『なめとこ山の熊』
ーー母胎回帰とオイディプス的野望の文脈からーー
初出:「国文学 解釈と鑑賞」786号 1996年11月号 第61巻11号 至文堂
〈春の修羅〉が『春と修羅』を読む
初出:「国文学 解釈と鑑賞」843号 2001年8月号 第66巻8号 至文堂
『ビヂチリアン大祭』序論
初出:「国文学 解釈と鑑賞」904号 2006年9月号 第71巻9号 至文堂
心象スケッチ「原体剣舞連」と舞踊
ーー賢治の詩に触発された勅使河原三郎の舞踊をめぐってーー
初出:「国文学 解釈と鑑賞」937号 2009年6月号 第74巻6号 ぎょうせい
他者からの目
ーー加藤直・構成演出『宮沢賢治・大運動会』を観るーー
執筆:2006年1月28日
初出:「Д文学通信」1144号(2006年7月21)。『平成17年度3・4年生舞台総合実習ⅣA上演記録集「宮沢賢治・大運動会〜ボクたちの劇場へ〜」』(2006年 日本大学芸術学部演劇学科)に収録。
NAP「周辺飛行」をめぐって
ーー演出家の快楽と虚無ーー
執筆:2008年1月13日