小林リズムの紙のむだづかい(連載435)

清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。

清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

小林リズムの紙のむだづかい(連載435)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


清水正の著作はここをクリックしてください。

http://d.hatena.ne.jp/shimizumasashi/searchdiary?word=%2A%5B%C0%B6%BF%E5%C0%B5%A4%CE%C3%F8%BA%EE%CC%DC%CF%BF%5D


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。
小林リズムさんがエッセイ本をリンダパブリッシャーズ(http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru)から刊行することになりました。本のタイトルは『どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった八日で辞めた話』発売日四月五日。
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
小林リズムの紙のむだづかい(連載435)




【命長くても恋せな乙女】

 私の曽祖母は、たしか、90歳になるちょっと前に肺炎が原因で亡くなった。大往生だったといっていいと思う。70代後半あたりから曽祖母認知症になった。人の名前も自分との関係性も忘れていく過程のなかで、少しずつ心の距離も遠くなっていき、自然に亡くなることができた人幸せな人だったと思う。曾祖母が癌で余命宣告をされたとき、祖母と祖母の妹が話し合って「最後だから好きなものを食べさせてあげよう」と決めたことがあった。癌だなんて知らない曾祖母は、好きなお店でカツをがつがつ食べたらしい。そしたらなんと、嘘みたいに癌が消えたそうだ。それを聞いて私は、自分も好きなものを好きなだけ食べて生きていこうと思った。(そしたら、痛風になった)。

 曽祖母の夫であり、私の曽祖父でもある人は、学校の校長先生をやっていたらしい。けれど祖母が高校生になる前に結核で亡くなった。それからというもの、厳しい経済状況のなかで曽祖母は結婚せずにふたりの娘を育てたそうだ。祖母の話によると、曽祖父が亡くなって少し経った頃に、再婚の話もあがっていたらしい。祖母の妹がまだ幼くて「お父さんを忘れてほかの人と結婚をするのは嫌」と反対したことで、その話はなしになった。

 そんなこんなで60代後半くらいのときに、曾祖母はまた恋をした。相手は詩吟か何かの集まりで出会った人で、十年くらい前に奥さんを病気で亡くした森口さんという人だった。茶飲み友達から進展し、デートを重ねた。あるとき曽祖母は森口さんに箱根あたりに旅行で泊まりに行こうと誘われたらしい。興奮した曾祖母が、
「どうしましょう。森口さんとお泊りなんて……。ああ、どうしましょう」
と娘である祖母に相談した。祖母は、
「いいんじゃない。その年で子どもが産まれるわけじゃあるまいし」
と思ったそうだ。たしかに、子どもは生まれないけど。どうだったのかちょっと気になる。それからふたりは籍こそはいれなかったものの、ほぼ同棲状態で仲良く暮らしていたそうだ。

 ワガママだったらしい曽祖母のことを、森口さんは優しく面倒をみてくれた。曾祖母がお風呂に入り桶の水が抜けて浮力で立ち上がれずに風呂場でもがいていたときも、曾祖母のバッグのふたが開けっぱなしのときも、曾祖母が認知症になって老人ホームに入居したときも。ボケていた曾祖母だけど、森口さんが来たときはにこにこ笑って本当に嬉しそうにしていたんだって。

 ひとつの恋を失っても、タイミングを逃しても、そして、命が長くても恋はする。それってすごく素敵なことだ。

 

 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
http://ameblo.jp/nanto-kana/

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