ソジョンのため息(連載4)

清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。
清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税



ソジョンのため息(連載4)


【恋のアイロニー

どんな人に出会った時、恋に落ちるのだろう。当然本人が好きなタイプの異性が現れた時でしょうけど、不思議なことにいつも私が好きだった魅力的な異性は私を好きではなくて、必ず関心がない第三者に好かれる場合が多かった。
最近バイトをしながら気がついたことがあった。先に来て座っていた常連さんを見つけた私は、お客様との繋がりを大事にするお店の特性上、ただの嬉しさの表現として、明るく声をかけたら、その常連さんは勝手にナンパだと誤解し、私に携帯番号を聞いた。その翌日ラインを通じて、私が声をかけた理由について説明すると、幸い誤解がとけて良かったけど、問題はそれ以降まったくお店にいらっしゃらなくなった。ナンパだと勝手に勘違いしたことが恥かしかったのだろうか…。(私は大丈夫ですが…。)
ともかく何でだろう。関心のない相手に好かれやすい理由。.私が好きではない人には、何の感情がないからクールで、平気に私を見せられるから? そう,それが答えのようだ。どうしても相手はそういう姿で魅力を感じるようになるらしい。切ないことに急に私の失敗した初恋の先輩が思い浮かんだ。先輩の前では感情が入って顔も赤くなって、声も震え、どもるようになり、ミスばっかりして魅力的な姿を見せてあげられなかったような気がした。愛情のない人には自分の姿を率直にさらけ出せるのに、好きな人にはむしろしきりに隠せるようになる。
「はぁ」
まもなく来る今年の夏、そしてその夏がすぎる前、必ず恋したいのに・・・。今日も深い夜、恋の理論ばかりが増していく。

※肖像写真は本人の許可を得て撮影・掲載しています。無断転用は固くお断りいたします。