小林リズムの紙のむだづかい(連載396)

清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。

清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

小林リズムの紙のむだづかい(連載396)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


清水正の著作はここをクリックしてください。

http://d.hatena.ne.jp/shimizumasashi/searchdiary?word=%2A%5B%C0%B6%BF%E5%C0%B5%A4%CE%C3%F8%BA%EE%CC%DC%CF%BF%5D


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。
小林リズムさんがエッセイ本をリンダパブリッシャーズ(http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru)から刊行することになりました。本のタイトルは『どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった八日で辞めた話』発売日四月五日。
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru

日藝・江古田校舎購買部に平積みされています。

江古田購買部の小泊さん。お世話になっています。
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
小林リズムの紙のむだづかい

【外見偏差値はいくつが得か】



ほとんどお目にかかれないクラスの、超絶美人と出会って「はっ」と目が覚めるような経験をしたことがある。18歳の頃だった。のこのこと田舎から上京してきた私は、駅の構内を歩くだけでもいたたまれない気持ちで、身体そのものが時代の最先端でできているような同世代の女の子たちを見ると「生きててスミマセン」とそっと目をそむけながら道も譲ってしまうのが常だった。絶望的に思えるくらいの新宿東口の人混みのなかで、お洒落な子は沢山いた。綺麗な子も可愛い子も「もうおなかいっぱい!」というほどにいた。目を見張る美人も5分に1度くらいの割合で登場するから、そのうち美に対する基準にも慣れてしまって、もう何が美人で何がそうでないのかもわからなくなった。

でも、視線を合わせられないほどの派階級の美女とは大学で出会った。思わず「生きていてくれてありがとう」と崇めたいくらいに美しく、同じ空気を吸っているだけで喜びを感じる。しゃべれない。けれど、延々と眺めていたい。あのきゅっとすぼまった唇がどうやって動いて、どんな言葉を発するのか。長いまつ毛がどうやってぱたぱたと瞬きを繰り返すのか。ビー玉みたいな黒目がちな瞳がどんなふうに笑うのか、一瞬も見逃さずに遠くから見続けたい。性別を超えた人類への深い思慕のような、話したこともないのに全力で守りたくなるような子だった。そのときはじめて東京の威力を知った気がした。打ちのめされた。

けれど不思議なことに「こんな顔になりたい!」とは思わなかったのだ。なんでだろう。あまりにも美しすぎたから、なりたいと思えなかった。個人的に外見偏差値は68前後がいちばん一般的な幸せを掴みやすいと思う。人から崇められず、貶められず、母性的かつ親近感のわく見た目。ちょっと八重歯が目立つとか、鼻が低いとか、そういうチャーミングな愛嬌があるほうが生きやすいと思う。きっと恋人をつくりやすいのもそれくらいの偏差値だ。それを上回る美人は心身ともに苦労が絶えない。嫉妬すらされずに「別世界の人」として自然と距離を置かれてしまうのだ。
同性の友達も腹のなかでは何を思っているかわからないし、男性からの視線だって嫌なものばかりかもしれない。たとえそうでなくても、勘繰るクセができてしまって心から信頼するのは難しそうだ。たとえ努力して手に入れたものでも「見た目がいいからでしょ」という空気が流れ、誰にもわかってもらえなくて苦しむこともあるかもしれない。それでも「美しくて苦労してるあたしの気持ちが、わからないでしょ!」なんて容易に言えるものではない。孤独さえ誰にも告げられないまま孤高の美女として生きていかなきゃならないなんて、大変そうだ。
それでもやっぱり別世界のような美しい子をみると、どうしたって崇めてしまうのが本能だよね。もう誰の期待にも応えてあげなくていいから、美女は自棄になって美しさを濫用してメリットだけ吸収して走るのが正しい生き方のように思う。そうでないと一生囚われてしまうから。




 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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