清水正への原稿・講演依頼は qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー・宮沢賢治・宮崎駿・今村昌平・林芙美子・つげ義春・日野日出志などについての講演を引き受けます。
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星エリナのほろよいハイボール(連載70)
忘れても消えない
星エリナ
18時過ぎたので、そろそろ夜ごはんをつくろう。ごはんを作ったり作業するときは必ず音楽をかける。好きな音楽だったり、テレビの音楽番組だったり、ラジオだったり。今日はラジオだった。
ラジオなんて聞いている人、まだいるのかな。車の中だったらよく聞くけれど、家にいるときにラジオ聞いてる人はもう少ないかもしれない。私は中学生の技術の授業で作った手回しラジオをまだ愛用している。高校受験の勉強のときにはいつもこれで深夜ラジオを聴いていた。今日はキッチンに置いてラジオを聴く。お米をといでいると、BUMP OF CHICKENの新曲が流れた。3月12日発売のアルバムの表題作だ。
なんとなく、久しぶりにBUMP OF CHICKENを聞いた気がした。それこそ、私がラジオを作っていた中学生のころにすごく流行っていたと思う。私も車輪の唄や天体観測といった曲が大好きだった。
流しながら聞いていて、私はほろっと涙が出てしまった。以前から歌詞に惹かれていたが、この「ray」という曲も歌詞が胸にくる。
大丈夫だ あの痛みは 忘れたって消えやしない
以前、連載61のホタルを見にいくで書いたことだが、私は東日本大震災後、南相馬市の祖母の家には一度も行けていない。実際に帰宅困難区域である。だから、あれから三年、大好きな田舎に行っていない。ホタルに会っていない。自然に触れていない。いつか、忘れてしまうんじゃないかって、すごく怖いと思っていた。だからこうやってエッセイや小説に書いている。だけどそれが重く感じていた。忘れちゃいけない、なんて言っている人たちにはわかんないんだ、と勝手に自分の殻に篭っていた。
でも、この歌詞を聴いて、忘れてもいいのかもしれない、と思った。もちろん完全に忘れることは一生できないと思う。だけど、忘れたふりでもいいから私が笑って生きていたほうが、亡くなった祖父たちも、嬉しいのかもしれない。
楽しい方がずっといいよ ごまかして笑っていくよ
「ray」 BUMP OF CHICKEN
作詞作曲 藤原基央
とてもステキな曲です。よかったらみなさんも聞いてみてください。
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