「マンガ論」は「チーコ」から「アンナ・カレーニナ」へ

つげ義春の「チーコ」に関しては二回の講義。十六日の講義では「チーコ」からトルストイの「アンナ・カレーニナ」へと話が進む。飛べない女ドリイと飛ぶ女アンナについて話す。授業の終わり近くソポクレスの「オイディプス王」について3・11の大地震・大津波・原子炉爆発の災厄に関連付けて話す。私が『「オイディプス王」を読む』を刊行したのは1997年7月ですでに十四年もすぎたが、授業で本格的に講義したことはない。ドストエフスキーの全作品を読んだ者になら話してもいいぐらいに思っているので、今までとりあげたことはなかったのだが、今日とつぜん話したくなった。私のマンガ論ではトルストイドストエフスキーもソポクレスも登場することになる。







受講生の感想
・ オイディプス王の冒頭をきいて、『風の谷のナウシカ』のトルメキアを思い出した。宮崎駿も読んでいたのかも…?
・ 「飛ぶ女」について…『アンナ・カレーニナ』のあらすじははじめてきいたけど、私だったらセリョージを置いて行くなんて考えられない。(バカ面のだんなに可愛い子供をまかせておけない)ので全部取り返しに行くと思う。その準備がととのうまでは飛ばない。という意味では私は飛ばない女かもしれない。
(文芸 高橋加奈)

最後のほうの「肉」の話はすごく面白かったです。いつも、動物を殺して生きることが当たり前になっている日本なのに、ある特定の動物(犬とかのペット)は大切にする義務のようなものがあることに疑問をもっていました。
(写真 飯島木子)

古典文学作品においても、先生の解体と再構築は冴え渡っていました!! 今日、『海辺の叙景』を自分で読んだ時点では、『チーコ』同様ちんぷんかんぷんだったので、次回、先生による解説を聴くのが楽しみです。
(演劇 冨士あゆ)

トルストイの『アンナ・カレーニナ』を読んだことはないのですが、『チーコ』の女との対比としてわかりやすいたとえだった気がします。帰りに地元の図書館で探してみようと思いました。
あ、私は多分ものすごく飛ぶ女だと思います。迷うぐらいなら選ばないで切り捨てるタイプなので。
(文芸 山田佑美)

10代、20代で経験したことは全て無駄にはならない。今見聞きしたことを何年後かまで覚えていて、その時改めて、また違う意味を見付けられたら良いなと思いました。文芸学科であるからには何かを書くんだし、自分の描きたい分野、またその枠を越えた世界まで興味を持つことが成長に繋がるのだと思いました。
(文芸 結城花香)

アンナ・カレーニナ』を読んでみようと思いました。私は飛べない女なのですが、お話を聞いて、飛んだアンナも不幸なら、どうしたら良いのだろうと考えてしまいました。すごく面白かったです。
(文芸 高橋亜衣)

津波の先が悪魔の手が襲ってくるように見える、という感覚は、一神教ならではの独特なものですね。想像すると、確かにそういう気がしないでもないですが、より一層恐ろしさが増して、想像するのをやめました。
自分は優柔不断で、執着心が強いので、断固として飛べない女です。
(文芸 大西由益)

今回は、『アンナ・カレーニナ』の説明を聞いて、自分は読んだことが無かったがとても興味を持った。『チーコ』の妻は、飛べない女で不幸な女に見えたが、必ずしも飛ぶことは幸せになる道でもないように思う。恋愛の話は難しいと思った。もっと恋愛について勉強したい。
(放送 宮崎香奈子)

もっと本を読まなきゃいけないと思いました。私は飛ぶ女です。けど、現在飛ばない女が好きな人と一緒にいます。
困った…。けど飛ばない女になることはないです。
(文芸 西村夢音)

私的には、東北関東での地震及び二次災害は旧約聖書の『ノアの方舟』の話が思い出されました。つまり、悪魔の手ではなく神の手によるものだったのではないかと思いました。
(文芸 大塚理紗)

また新しいマンガどう読むのか楽しみです。
いろんな話につながっていく人に私もなりたいです。
チーコ⇔アンナ・カレーニナ
地震オイディプス
(演劇 松本優美)

アンナ・カレーニナ』を関連づけて考えるとさらに面白い作品だなと思いました。
アンナ・カレーニナ』は以前から興味があった作品だったので、この機会にぜひ読んでみたいです。
(演劇 山口麻未)

先生の中で、本を読むときに何か一貫した視点があるからこそ、色々な作品に共通点を見出せるのだと思いますが、それがどういうものなのかまだわかりません。受けるうちわかれば面白いなと思います。
(文芸 河野玲)

Lost in Translation』という映画を見て、周囲からは幸せに見える人々の孤独やさびしさを感じました。今日の授業で取り上げられたアンナが抱える不幸と同じものかもしれないと感じました。
(演劇 蒲池あかり)

“古典作品はすべて現在とつながっている”という言葉が興味深かったです。“昔の作品を知らないで新しいモノなど生み出せない”と別の教授からも言われました。
昔の作品を読もうと思いました。
(演劇 宮崎卓真)

飛ぶ女と飛べない女…
飛べない女は幸せになれるのでしょうか。先が無いとわかっていても、羽があっても飛ばないって…
女心は複雑で、強くて、美しいですね。
(映画 河合真子)

人生においてつきまとう数字というのに不思議と奇妙な感覚を覚えた。自分にも体験することだからである。
28→2+8→10→1+0→1 ←これが再生と死を意味するなんて…
今日の災害に関しても、宗教上の違い(国の違い)がとらえ方に変化があるとあらためてびっくりした。
(映画 北川千尋

アンナ・カレーニナ』の話面白かったです。中学生の頃宝塚のおっかけをしていたのですが、宝塚の舞台で上演されていたのを思い出しました。あの頃はこんなに深く切ない話だとはわかっていませんでした。改めて本を読み直したいと思います。
(演劇 佐野このみ)

相変わらずの1時間30分の熱い授業に圧倒されました。トルストイの『アンナ・カレーニナ』と『チーコ』の女のリンクにおどろきました。私はどちらかというと…わからないです。悩んで次回に望みたいです。
(デザイン 進川葉子)

「基準なんてない」ということに共感しました。飛ぶ女と飛ばない女の間は何というのでしょうか。
(写真 加地木ノ実)

オイディプス王』と今の日本の重な所について、もっと詳しく考えてみたいと思いました。このままだと日本はなくなると思います…。
(演劇 井上恵)

先週までの『チーコ』と『アンナ・カレーニナ』を様々な視点から読むと重なるところがあると知り驚いた。
マンガは単純に面白いだけではだめだなと思いました。
(演劇 北嶋ミク)

今日の話を聞いて、心をよいしょされました。
いろんなものに自ら触れることでたくさんの自分にとっての光を集めていこうと思いました。
(文芸 木村優子

今日は女性の在り方、本質的なことを何となくですが感じられた気がしました。オイディプス王は以前読んだことがあるので、トルストイに挑戦したいと思います。
(演劇 増渕果菜)

もっとたくさん本を読もうと思った。最近は本屋で平積みになっているものを中心に読んでいたが、これからは文学全集も読んで行こうと思う。
(文芸 小倉夏希)

オイディプス王』読んで、王の娘、アンティゴネも読みました。実は本を読むのは苦手なのですがあの悲劇はとてもドラマチックで、あっという間に読んでしまいました。
アンナ・カレーニナ』読んでみます。
(演劇 根岸萌)

『チーコ』とロシア文学のつながりを説明していく先生のすごさに驚かされました。物をかくには古典から神話を読めとは前からよく聞かされていましたが、今回あらためて納得。
(文芸 穂積周)

情熱とは語ることである。
(文芸 高橋将人)

今日、配られたマンガは『チーコ』よりもよくわかりませんでした。次回を楽しみにしています。トルストイの話はとても興味深かったです。
(文芸 池田翔)

アンナ・カレーニナ』は名前を聞いたことがあるぐらいだったのですが興味がわいたので読んでみたいと思いました。
(音楽 尾崎有彩)

先生の話は作品への強い愛が感じられ、とても興味深い。
紹介された作品は全て興味がわいたので、いつになるかわからないがぜひ読んでみたい。
(映画 横田貴尚)

まさか、『アンナ・カレーニナ』の話を『チーコ』の話に絡めてくるとは思いませんでした!
(演劇 毛利悟巳)

トルストイの作品は今まで読んだことがなかったのですが、今日の話を聞いて読んでみようと思いました。
(放送 佐藤夕紀)