「マンガ論」はつげ義春の「チーコ」第一回講義

25日の「マンガ論」はつげ義春の「チーコ」第一回講義。今年も演劇学科演技コースの学生が多く集まった。簡単な自己紹介の後、「チーコ」の講義に突入。先週すでに「チーコ」を読んだ感想を書いてもらっており、ただちにテキストの解体と再構築のクリエイティブな世界へと参入。演技コースのシュウとヤマミ、ソウタとコノミの二組に演技をしてもらう。さすが演技コース、一回目であるにもかかわらず受講生の心をとらえた。次に授業の模様と学生の感想を紹介する。






受講生の感想
なにげない日常の一ページにみえた男女の会話のうらに激しい感情のうずがあったのが分かり、チーコの奥深さを感じた。
(映画 市川英和)


小説を読んでいるときは、違う結末や実はこうだったのではないかと考えることはありましたが、マンガの中で実はこうだったのではと考えるのは初めてでした。マンガは小説と違って絵が描いてあるのもあり、無限に事を創造できるのではと思いました。
(文芸 小倉夏希)


『チーコ』作品の中にあるものがすべて記号、暗号のように思えた! 映画に似たものを感じる!
(映画 荒井周士)


時代背景をつかんでいるマンガではあるとは感じたが、深くは読んでいなかった。マンガの見方を多少なりとも変えられた。
(映画 半澤和久)


・演劇学科の人の演技が凄かった。
・チーコは何故鼻毛を抜いたのか?
・そういえば自分もフラれたときゆっくりだった。
・もっとマンガを読もうと思った。
(映画 中村蒼


はじめ、先生の『チーコ』の解釈を聞いたときは、深読みしすぎで想像しすぎだと感じたが、確かに、母親が子を産むように、作品は作者の手を離れ誰かに読まれたその瞬間からまた新たな作品となるということ、そして、評論とはまさにそういううことなのだと理解した。
私もこれからはもっと深く読みこむようにしたい。
(演劇 冨士あゆ)


「内と外の境界線で“何かが”起こる」という言葉が衝撃的だった。意識することとしないことの差は大きいなあと思った。
(文芸 木村優子


冒頭の数コマだけでも、実はものすごい量の情報がつめ込まれていて、圧倒されました。
「ねえ、買ってもいいでしょう」の背景を知ると、なかなか切ないものを感じます。
(文芸 大西由益)


楽しかった!!
世界が広がる感じがしました。こんなふうにマンガを読んだことがなかったので、すごく楽しかったです。
(演劇 猿田未来)


「批評はテキストを超える」にとても同感しました。
原作者の意図しない解釈も、不正解ではないというのに目からウロコでした。
(演劇 大岩龍)


終始絶句していましたが、清水先生の熱弁にとても感銘を受けました。次回も楽しみにしています。
(演劇 鈴木翔太


すごく刺激的で楽しかったです。これからもこんな授業をよろしくお願いします。
(演劇 村崎修)


『チーコ』についてどのような講義をされるのか気になっていましたが、先生はとても妄想力が高いなあと思いました。(ほめています!)作者が意図したこと、またそれ以上のことを読み解く姿勢に熱意を感じました。マンガの質は作品自体と、それを読む読者によっても決まるのだと感じました。
(演劇 芳尾まどか)


「読み方」に驚きました。良作とされる作品とはこういうことかと気づかされた気がします。作者によって「読み方」に違いがあるのかと考えると、他の作品が読みたくなったし、先生の解釈をもっと知りたくなりました。
(演劇 山田沙央里)


1度読んだだけでは解釈できない場面が多々あった。(二人の心が離れた時や階段をかけ上がった時の女性の気持ちなど)
解体と再構築により、作品の深読みや面白みが増したと思います。
(演劇 根本聖)


文鳥を「赤ちゃん」におきかえるという発想は思いつきませんでした。おきかえることでより一層男女の温度差や男女の心理が伝わってきました。ただよむのではなく、自分なりにストーリーを分解していくことへのたのしさに気づくことができてよかったです。
(演劇 平田栞)


ううむ、面白い!もっとはやくにこういう事と出会っていたらなあ!と思います。
日芸に入って、リングにのぼったような気でいたのですが、ここで格闘技と言われてしまえば、本当に気持ちもあつくなるってもんです。
芸術に進むことは面白くって、ずーっと行ってみたいと思うのですがそれは人間をやめることだなあと『チーコ』に出てくる女のように人知れず誰かが傷つくかもなあと思うと、誰かといっしょに生きるのはできない、と思って悲しくなってしまいます。
(文芸 梅野慎依子)


It was sooo interesting class!! thx very much!! 先生のpassionとても伝わりました。久々に座学で本物の授業を受けました。So Good!! 耳から目からウロコボロボロです!!次回も楽しみにしてます☆
(根岸萌)


妻が子供を一度おろしていて、せめて文鳥だけでも飼いたいと思っているという考え方は思いつかなかったので、面白いと思った。今回特に驚いたのは、1コマ目のカーテンがらで、このカーテンのがらだけで、妻が家庭をどうしたいか分かるというのは、とても興味深かった。まだ4ページしか進んでいないのに、これだけの情報がふい組まれていたということが分かり、次回からの授業がとても楽しみになった。
(放送 宮粼香奈子)


前回の感想文で、『チーコ』を気味悪いと、こわい、と言っていたが、今日、先生の講義を受けて、すごく勉強になったし、共感するところも多かったです。のこりの3年間、やりたいことをやって、ビッグになりたいです。
(演劇 千葉ゆり)


深い部分までの読み取り方、コマの全面に滲んでいる作者の意図を汲んでいったら今まで見てきたどんな作品も、もっと楽しみ方は活字ではなく、マンガだからこその味わい方なのだな、と。
(文芸 結城花香)


推薦してもらえたおかげで、前で読むという貴重な体験ができました。楽しかったです。
マンガがこんなに工夫して面白く、深くなるものとは思いませんでした。
これから頑張ります!!
(演劇 佐野このみ)


私、マンガ大好きでかなり読んでますが、まさか、風景や音としぐさにこんなに意味がこめられているなんて知りませんでした。
マンガって深いですね!!!
(演劇 大迮美仁音)


今日の授業はすごく楽しかったです。他学科の人とあまり交流がないけど、今日演劇の人の演技が見れて、すごいなと思いました。すごく楽しかったです。先生の話も面白かったです。来週も楽しみにしてます。先週『チーコ』を読んだ時、難しくて感想を書くのが大変でしたが、今日ので内容わかっておもしろくなりました!
(音楽 坂本沙世)


右親指骨折(?)でうまくかけませんが。とてもおもしろいかったです。
つまらないとおもった『チーコ』に深みがでてもっとしりたいとおもいました。
演技コースの人のセリフもよくわかりやすかったです。
がんばります。
(演劇 北嶋ミク)


今日の授業を聞いて、『チーコ』というまんがの印象がすごく変わりました。
演劇学科の人の演技が上手くて観るのが楽しかったです。
この授業がたのしみになりました。
(音楽 尾崎有彩)


先生、すっごい元気がありますね!!なんだか私まで元気になりました(笑)ワクワクする授業で、次回も楽しみです!!
(演劇 井上恵)


先生!付いて行きます!
この授業は格闘技!響きました!これから夏になり、もっともっとヒートアップした授業になることを望みます!そんな私は手塚治虫先生が大好きです!
(演劇 山口栞)


カーテンの柄や足音にまで意味や背景が含まれていることに驚きました。また、会話中の一言を変えるだけで登場人物の性格が変化することも初めて知りました。スラスラ読んでいれる中でも秘められていることはたくさんあるようなので、これからの読み方を意識しようと思いました。
(演劇 清水貴子)


やまみです!!
情熱、ユーモア溢れる授業、とても楽しかったです。まんがも演劇の戯曲や脚本と同様、読めば読むほど深みがあって、人それぞれの見方によって、様々な見解の読み方があるとてもクリエイティブなアートだと思いました!
(演劇 山口麻未)


解体して再構築していくことでマンガがこんなに面白くなるとは思いませんでした。「女はふりかえらないのだ!別れるときに」という言葉が印象的です。
次回も楽しみです!
(演劇 三品優里子)


深い。恐い。重い。
今までもつまらないと思った作品の中に、こんな深いものがあったのかなーと思うととてもえもったいないです。
(写真 吉野和樹)


こんなに深くマンガを読む事も可能だと知って、カルチャーショックを覚えました。でもやろうと思っても中々すぐにはできない様な気もしました。訓練が必要そうです…
授業が楽しかったです。
(デザイン 大畠純)


夫婦の間に亀裂が走った1コマに衝撃を受けました。熱血授業ありがとうございます。
(演劇 毛利悟巳)


「鳥貴族」の話から、入って、自然と『チーコ』の話にもっていく、件は、とても秀逸でした。周りは気付いていませんでしたが、私はキケンと感付いていました。
(文芸 高橋将人)


一コマに多くの情報がつめこまれているんですね。
作者本人も意識しない情報を読みとる力、それを信じさせる力、すごいです。
(文芸 山田佑美)


今日の講義で『チーコ』の見方が180°変わった。女の希望と男の希望とのすれ違いなどが再構築によって明確になり、すごく分かりやすかった。作者本人すら意識していないことまで考えが及ぶようになりたい。
(文芸 菊池千夏)


前回『チーコ』を読んだときと、見方がガラリとかわりとてもびっくりです。先生の授業に参加させていただくのがとても楽しみです。(授業を受けるにあたって)
(映画 北川千尋


私の中で、『チーコ』は幸せ、「男」は夢を追う、女のことをあまり考えてくれない人、「女」はそんな男を愛するものの、幸せがほしい人、というふうに解析していましたが、『チーコ』を赤ちゃんだと思えばもっとぐっときますね。
(文芸 金那榮)


「演じる」事でみえてくるマンガの一面は深く、とても面白いと思いました。
「人を描く」という点では、やはり演劇も映画も文学もマンガも、同じラインにあるのだと思いました。
(映画 河合真子)