「マンガ論」は原作『罪と罰』の演技・朗読

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十二月六日の「マンガ論」は原作『罪と罰』のマルメラードフの追善供養の場面と、ソーニャがラザロの復活をラスコーリニコフの要請で朗読する場面を、演劇学科の演技コースの学生に演技・朗読してもらった。供養の場面だけでも一時間を費やした。手塚治虫がマンガ化するにあたって大胆なセリフの省略をしたことを改めて感じた。原作をマンガ化することは同時に演劇化することであったことも新たな発見であった。手塚が『罪と罰』の演劇公演にペンキ職人として出演していたことがマンガ化にあたって参考になったのかもしれない。原作では地の文も長いが、マンガは絵でそれを表現できているので、くどい感じはない。今年、初めて手塚版『罪と罰』と原作『罪と罰』の追善供養の場面を演技・朗読してもらったが、演劇学科の学生の演技力が優れていたこともあって、新たな発見と刺激があった。ラザロ復活の朗読場面も、学生が演技することによって身近なものになったようだ。
原作『罪と罰』の追善供養の場面の朗読・演技。

原作『罪と罰』の追悼供養の場面。
ラザロ復活の場面を朗読・演技。

受講生の感想
マンガ版とは全然違っていて驚きました。どちらにも、それにしかない良さがあると思います。もう少し2つの違いについて知りたいなあと思いました。
(文芸 吉田茜)

手塚治虫のマンガには描かれていない部分を原作で読むことで、より深く『罪と罰』を知ることができた。
(放送 宮川晃典)

手塚さんのマンガでは含まれていないシーンを演じていたので面白かったです。バタバタした感じのシーンはマンガよりもシリアスですごかったです。
(映画 小野寺志織)

最初聞いているときは表現が回りくどく、文章も長くて何度も言っていて分かりづらかったけれど、演劇学科のみなさんの芝居と合わせて見るうちマンガのほうと同じところだということが分かって、つながりを感じて面白かったです。
(文芸 眞柄冬音)

今日はいつもと違い、小説をベースで演技していたので、より台詞量も多く大変そうでした。本当にお疲れさまでした。
あと、先生の演技もさすがでした。
(文芸 佐野友美)

目で読むだけでは、分からなかった心情も、声がついて読むことにより、感情の激しい揺れを直に感じることができました。
(文芸 伊藤景)

ルージンがソーニャを悪人に仕立て上げるシーンは殺人うんぬんよりも人間の悪い部分がよく出ていると思った。
ソーニャとラスコリニコフのシーンはラスコリニコフの心の奥の懺悔の気持ちが暗に表れているところだと思う。
(文芸 阿部桜)

ひとつひとつのセリフが長いことに驚きました。この長さを短くまとめた手塚治虫がすごいなと思いました。はちゃめちゃ感が全く損なわれていなかったので。
(文芸 三矢日菜)

・ 原文が長くてビックリしました。手塚治虫は本当に見事にまとめたな、と思いました。
・ けれど、案外読みやすかったので、今度原作を読んでみようと思います。
(文芸 大川内菜月)

初めて『罪と罰』を読んで手塚治虫は台詞や地の文をかなり省略していたが、確かに印象やイメージは(原作と)ほぼ一致していたのですごいと思った。
(文芸 吉川萌)

原作をいかに手塚治虫が上手に省略しているかが分かった。今だとただ「長いなあ」と感じる文学も、当時のロシアの人々にはキチョウな娯楽だったと思うと時代ってすごいなあと思った。
(演劇 高田瑛)

一年間ありがとうございました。
マンガを使った授業を受けたのは初めてで楽しかったです。
(演劇 向井うらら)

原作が長いということで、手塚さんはそれを自分なりに選んでマンガにしていて、手塚さんのマンガを読んで、原作とはまた違った面白さがある。今年も終わりだ。来年もよろしくお願いします。
(演劇 荒弓倫)

原作だとこんなにも文章が長いとは思いませんでした。
手塚さんは本当にすごい方なんだなと改めて思いました。
(映画 細田千尋

ゆかりちゃんの演技がうますぎでした☆マンガ論、一年間ありがとうございました! いろんなマンガを読め、他学科と触れ合い、先生のお話を聞いて楽しかったです!
(放送 佐々木明奈)

手塚治虫の演劇的な空間の表し方は大ゲサなのかと思ってましたが原作を読み直してみると原作の方がもっとカーニバルですね。
もう一度読み返してみようと思います。
(文芸 平賀晴香)

ドストエフスキーの作品は、読んですぐに演劇や映像のイメージが浮かび、一見読みづらく敷居が高い様に感じますが一度入り込むとすんなり読めて、舞台化する必要がない程完璧な描写だと思いました。
(演劇 三田悠希)

原作の方は一つ一つの説明が長く、詳しいのでところどころ場面が分かりにくかったりするけれど、やはりまんがではかいていない場面があり、なるほど、と思うところがたくさんありました。まんがの方はわかりやすく読みやすいけれど、一つ一つが浅くなってしまうこともあるのだと思いました。原作を読んで詳しくしるとよりこのお話が楽しめると思いました。
(演劇 丸山詩野)

ドストエフスキーの文がこんなにも長いとは知らなかったので、約一時間も演じられていて驚きました。
(美術 櫻井ゆきみ)