プーチンと『罪と罰』(連載33)

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                清水正・画

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プーチンと『罪と罰』(連載33)

清水正

 

 トルストイモーパッサンに続いて、〈才能豊かな作家E・ロッド〉の「現状の苛烈さと狂気ぶりをいっそう鮮やかに描いている」箇所を引用している。次にそれをアトランダムに紹介する。百年以上も前に書かれたものなのに、まるで二十一世紀の今日の危機的な現状を語っているかのようである。

 

 「毎日、人々は明日の戦争の偶然性を考える。そして日一日とこの偶然性は避けられぬものとなってやくのである。

 「思想は、現世紀のあらゆる進歩の結果として世紀末に予想される一大破局の可能を信じることを拒否している、が、信じるように慣れなければならぬ。

 「二十年間、知識の力はあげて絶滅の道具の発明に費され、やがては数発の砲撃で優に全軍を殲滅し得るようになるだろう。以前のように金で血を買われた数千の貧民が武装するのではなく、今や互いに咽喉をかき切ろうと構えている全国民の一人一人が武装しているのである。

 「これらの人々から(彼らを徴集して)その時間を盗むのは、後にその生命をいっそう確実に盗むためである。彼らに殺戮の用意をさせるために、彼らは憎まれているのだと説得してその敵愾心を煽り立てる。するとおとなしい、善良な人々はこの釣針にひっかかってしまう。そして平和な市民たちの群は、愚かな命令に服して、野獣の如き残忍さをもって今にも互いに飛びかからんばかりになる。そしてすべてその原因は、国境での他愛ない衝突なのか、植民地の商業上の打算なのか、だれにもわからない

のである。

 「そして彼らは屠所にひかれる羊のように行先も知らずに出かけてゆく。知っているのはただ、妻を捨てて来たことと、子供が餓死するだろうということだけだ。そして、びくびくしながら、しかも耳もとで吹きこまれるかん高い言葉に酔いしれながら進んでゆく。すなおな、おとなしい彼らは、文句も言わずに進んでゆく。自分たちが力であることも、自分たちさえその気になれば、そして外交官たちの野蛮な欺瞞行為の代わりに話合いをし、健全な良識と兄弟愛とを確立することができさえすれば、権力を自ら掌握できることも知らずに。

 「しかも彼らはすっかりだまされて出かけてゆくから、殺戮、殺害は義務であると信じるようになり、自分らの血に飢えた願望を祝福してくれるようにと神に願ったりするようになる。そして、自ら種を播いた畑を踏みにじりながら、自ら建設した町を焼き払いながら進んでゆく。また彼らの息子たちは、自分らの父親をだれよりも見事に殺した人たちのために記念碑を建てるのだ。

 「全世代の運命は、どこかの陰鬱な政治家が彼らをして互いに飛びかからせる合図を与えるその時間にかかっている。

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清水正研究」No.1が坂下ゼミから刊行されましたので紹介します。

令和三年度「文芸研究Ⅱ」坂下将人ゼミ

発行日 2021年12月3日

発行人 坂下将人  編集人 田嶋俊慶

発行所 日本大学芸術学部文芸学科 〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1

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表紙

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目次

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