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星エリナのほろよいハイボール(連載32)
やばい遅刻遅刻!
碁を習う
大学につくとエレベーターの「↑」ボタンを押す。けれどもエレベーターは七階にいて、一階まで降りてくるのに時間がかかる。五階に行きたいのだけれど、私は慌てて階段を選んだ。五階につくころにはぜーぜー息を切らしていて、それでも必死に授業が行われている教室へ向かう。
「すいませーん、遅刻しまし、た・・・・・・」
この実習、六人はいたはずなのに、教室には先生と男の子が一対一。向かい合っちゃってあらまぁなにしてんのって、二人の間には碁盤があった。私が入ってきたことはあまり気にせず、二人はそのまま囲碁を続けていた。無視されるの、ちょっと寂しいよ、おじいちゃん。
立ち続けていたってしょうがない。とりあえずいつもの位置に座って、二人の囲碁を見ていた。
私は囲碁をしたことがない。中学生くらいのとき流行った囲碁アニメを見て囲碁の存在を知った程度。ルールなんてまったく知らなかった。よく聞いていると、その男の子も初心者だった模様。どこに打てば良いか考えてみろ、といった感じ。初心者にそれはちょっときついけど、しっかり考え込んでいる彼、真面目なんだかなんなんだか。
こうして終わった第一局。白と黒の石を片付けると、先生は次に私を見て言った。
「じゃ、次」
ん? 私? 囲碁ですか? ノーアイキャント!
「教えるから。うん。知っていたほうがいいよ、囲碁。うん」
気がついたらもう準備されていて、私はさきほどまで男の子が座っていたところに座り、はい、二局目スタート。全くの初心者相手に特に説明もなかった。とにかくやってみたほうがわかりやすいよっていうのは、少しでいいから最初に説明をしてから言ってほしいセリフだ。とにかく明らかに説明不足。私が知っているルールといえば白い石と黒い石を交互に置いていくことだけ。
そして囲碁が終わって、どっちが勝ったかを計算した。とりあえず私が負けた。当たり前ながら手加減をしていただいたため僅差で負けた。
「囲碁はねー、できたほうがいいよー」
と繰り返す先生。正直、よくわかんなかったです。でもきっと、ちゃんと理解して、同じくらいの実力の人と対戦できたら楽しいんだろうなー、と思った。もしよかったら誰か、私に囲碁をゆっくりと教えてください。そして、対戦いたしましょう。
私、ボードゲームはとても弱いです。人生ゲーム以外、とても弱いです。
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