「マンガ論」第三回

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第三回「マンガ論」の授業風景と文芸学科受講生の感想文。




文芸学科受講生の感想
詳しく一コマずつ観察していくことによって、『ドラえもん』というファンタジックでかわいらしいキャラクターが急に恐ろしいものに感じました。未来を知っている青い(というかとにかく非現実的な)生物が引き出しから現れると想像すると怖いです。子ども向けの漫画だという思い込みから、面白い教材だという興味にかわりました。(文芸・高野友紀子)

のび太の精神状況がそんなにおかしいとは……。『ドラえもん』の2ページからギリシャ神話やドッペルゲンガーの話になるとは思いませんでした。ワクワクしました!(文芸・田代若奈未)

ドラえもん』見開き二ページにドストエフスキーの「分身」、ソポクレスの「オイディプス王」が入っている……という先生の話に驚嘆と感動を覚えました。僕は先生の授業が好きです。最初は無理やりな読み方をしている人だなと思っていましたが、話を聞けば聞くほど合理的です。感動しました。(文芸・田井英祐)

先生の『ドラえもん』考察が、ホントに毎度おどろかされます。のび太くん「のびている=死んでる」話には思い切り笑いました。やっぱり一番前で授業を受けるのが楽しいです。思わずこの考察を聞いて芸人のライセンスのM-1ネタの「色んなドラえもん」を思い出しました。よければ先生も見てください。とがったドラえもんや奇妙なドラえもんがいます。
ドラえもん怖い。とても怖くておもしろい。
3-11の被災者家族なので、津波が悪魔にみえるという、イミがよくわかった。/来週も楽しみです。(文芸・草島江梨子)

ドラえもん』はよく読んでいたが、全く違うもののように感じた。一コマの中でたくさんのことを読み取れることがすごいと思った。子供向きのマンガではないような話だった。(文芸・石川舞花)

ドラえもん』を読んで、正直のび太の精神的な闇など考えたこともなかった。今回の授業では、本来の『ドラえもん』というマンガの見方を学んだ。(文芸・藤田拓斗)

ドラえもん』を、ぼんやり読み過ぎていたと思いました。よく考えなくとも、そのまま不自然な物が描かれているのに、何故気づかなかったのか。不思議です。そういうさらりと流せてしまう不思議さ、不自然さ、不気味さも、『ドラえもん』が人の心に残る理由なのかもしれないと思いました。(文芸・吉成沙也佳)

誰もが読んでいる『ドラえもん』を、こんなに詳しく講義をしてくれて、奥深いなあーと思った。のび太は死んでいるとか初めて聞いたので、とても印象に残った。もちろん寝ていません(笑)(文芸・松井裕樹

確かにのび太は神経質そうな描写が多いと思いました。ドラえもんが丸くなければ、私はあの漫画を読まなかっただろうし、「運命が決まっている」と言われれば抗議したくなります。自分に引き寄せて考えるとよくわかり、とても興味深いと思いました。(文芸・篠原萌

本当にパワフルな授業です。あの一ページからそこまで読みとるとは驚嘆に値します。(文芸・瀬尾佳高)

のび太が部屋を締め切って部屋の中のアイテムで更に囲いを作っているのには防衛機制的な意味があるのには驚きました。部屋の中の囲いは丸く、のび太は平和を欲している。机から出てきた奇妙なヤツも丸い。彼の生活はこれから平和(?)になるのだろう、という読み方で良いんでしょうか。(文芸・西野木太郎)

のび太が部屋の中にさらに、ポットやマンガで空間を作っているという発想はおもしろいと思った。こうやってマンガの一コマ一コマの説明を細かく聞いていると、細部にまで筆者の息がかかっているなあとつくづく感じる。(文芸・西澤太朗)

まさか「のび太死亡論」が飛び出てくるとは思いませんでした。ドラえもんが神だとしたら、さしずめジャイアンは悪魔なんかでしょうか……。(文芸・平野幸恵)