「マンガ論」第三回講義「ドラえもん」

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「マンガ論」第三回講義は「ドラえもん」の第一話「未来の国からはるばると」の見開き二ページを題材にして、のび太の実存的な危機状態を浮き彫りにする。ドストエフスキーの「分身」などの紹介もしながらヤスパースの実体的意識性錯誤、自己像幻視などの精神病理学的側面からの考察を展開。ドラえもんのび太が望んだ〈分身〉であることなどを語る。のび太は死んでいること、死んだその瞬間において復活していることに関しては次週で詳細に語ることになるだろう。
受講生の感想
上(美術・平松大地)中(美術・児安祥子)下(美術・小林柚李)

第三回受講生の感想
自分の知ってる『ドラえもん』は子ども向けに作られたものだと思っていた。しかしこの授業でやった『ドラえもん』は考えが深く少し恐いものだった。(美術・福永健介)

“実体的意識性錯誤”こんな言葉初めて知りました。「のび太は死んでいる」説、とても新鮮でした。(美術・富澤莉乃)

今まで『ドラえもん』のマンガなんて凄く簡単に読んでいすぎたことを思い知った。のび太が幻聴を聞いていたり、部屋も勝手にごちゃごちゃのイメージで読み進めていたけれど、こうやってよく見ればきちんと整理されていたり、思い込みで読むのは怖いなあと思った。他のマンガもきちんと読んだら主人公が本当はどんな人なのか知れそう。(美術・宮田みな美)

ドラえもん』は誰でも知っているマンガですが、今回の授業ではのび太はのんびりした性格という固定観念を大きく覆す内容でとてもおもしろかったです。(写真・吉原百合香)

のび太はバカな少年としか思っていなかったけれど、今日の授業で実はとても危機的状況にいる追いつめられている少年だったのだと知って驚きました。
オイディプス王とつながっていくなんてすごいです。
毎回、驚く授業です。(映画・藤原真悠)

哲学的なもの無しにはマンガ゛も映画でも、深みのあるものはできないと思いました。(映画・上川床麗か香)

ドラえもん』は映画版のマンガも大好きです。のび太の解説で、何だかのび太がもっと好きになりました! のび太が死んでいるという話が気になって仕方がないです。(映画・米山舞)

ドラえもん』から運命論まで展開できるものなのだなと思いました。1コマ目をもっとちゃんと見ればどのマンガもいろんなイミを持っている可能性を感じました。ドラえもんドッペルゲンガーの一種とはさすがに考えつかなかったです。(映画・服部郁子)

授業中、先生の話を聞きながら本当に今、目の前に名前も分からない青い生物が出てきたらと想像しました。ものすごく気持ち悪かったです。先生の授業にはフィクションの話を扱っているのに、とてもリアルな感情をもたらしてくれる所がすごいです。(放送・福井早香)

ドラえもんがどんだけの哲学的メタファーを含んでいるかを知った。作者の伝えたい本当の事は、そのメタファーに含まれているとは思わないが、読者が再構築することで、文化物の解釈を多様にできる事がすばらしいと思った。(放送・櫻井祐介)

清水先生のエネルギを受け止め、自分の“学び”とするには(いや、清水先生の授業だけでなくとも)学生側にも相当な覚悟が要ると再認識しました。来週『ドラえもん』読んできます。(演劇・鈴鹿通儀)

ドラえもん』にまさかオイディプスを結びつけるとは思いませんでした。未来への想像・興味はいつの時代にもあるもので、あらゆる分野の人間がこのことに取り組んでいるのだなと実感しました。(演劇・柏木純子)

私はマンガもアニメも『ドラえもん』をあまり見たことがなかったので、先生のような解釈はびっくりしました。平和な感じかと思ったら、冒頭ののび太は死んでいたなんて……!! とにかく驚きです。(演劇・高橋りな

私は『ドラえもん』の第一話を見たことも読んだこともなかったので、先生の話を聞きとても衝撃を受けました。おそらく私たちは、ドラえもんという存在を知っていたからこそ、このような奇妙なことに気付かなかったのかもしれません。続きがとても気になります。(鍋田怜那)

先生は、色々なことに博識ですごいですね。先生にすごいというのも失礼な気もしますが。可能性を広げるよみ方には、感心します。(演劇・佐藤英美)

ドラえもん』が急に恐い話に思えてきました。買って全て読んでみたいと思います。ドストエフスキーも興味深かったです。文学作品と名作と呼ばれるマンガは少なからずリンクするものなのですね。(演劇・窪真理

実体的意識性覚悟⇒自己像幻視ということばが出てきて『ドラえもん』を読む見開き二ページの世界は思っていた『ドラえもん』とは全然違ってこわいなあと思った。『ドラえもん』深いっっ!!(演劇・高野りな)

マンガの話から人生論、哲学論的な話にどんどん展開されていくのがスゴかったです。『ドラえもん』の最初二ページがやたら奥深く検証されてスゴいです。(演劇・武岡宏樹)