林芙美子研究のための取材旅行(連載4)
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清水正の著作 D文学研究会発行本 グッドプロフェッサー
清水正の新刊案内『林芙美子と屋久島』 (D文学研究会・星雲社発売)
A五判並製160頁・定価1500円+税
平成23年4月30日(土曜)
今回、最初に訪ねたのは「喫茶芙美子」。 私はママの小森マリ子さんに『林芙美子と屋久島』の市販版と私家版の二冊を郵送しておいた。この店には林芙美子の海外で翻訳された本や日本国内で刊行されている研究書、林福江さんから寄贈された林芙美子の生原稿や写真などが展示されている。今では貴重な新聞記事などもスクラップブックに収められている。
小森夫妻と山下聖美さん。
山崎行太郎さんと藤野智士くん。
因島では荒神社、日立造船因島工場などを訪れた。
取材旅行二日目の三十日に尾道市立中央図書館を訪ね、山下さんと藤野くんは林芙美子コーナーの担当者・力石さんに取材した。私は館長が不在だったので副館長と話し、次に記す本三冊を借用することにした。
『尾道と林芙美子ーある女流作家の故郷の記録ー』(昭和四十九年五月五日印刷、五月二十日発行。著者・「尾道と林芙美子」刊行委員会。発行所・尾道市西久保町二ー三 尾道市立図書館内尾道読書会)。
『尾道と林芙美子・アルバム』(一九八四年八月一日発行。編者・尾道読書会・林芙美子研究会。発行者代表・田坂寿美子)。
『尾道市立図書館 創立八十周年記念 尾道の林芙美子ー今ひとつの視点』(平成6年6月17日。発行・尾道市立図書館。編集者・吉原暁 清水英子)。
タクシーで尾道市立中央図書館前に着く。
中央が林芙美子コーナー担当の力石さん。
この図書館の林芙美子コーナーは清水英子さんが手がけただけあってかなり充実していた。林芙美子の初版本や関係文献も幅広く収集され、ここに来て初めて知った本や雑誌も少なくなかった。林芙美子の写真パネルも豊富に飾られ、写真だけでも芙美子の生涯をなぞることができる。担当の女の人に貸出禁止本の展示ケースを開けてもらい、何冊かの珍しい本や雑誌を手にすることができた。残念ながら時間がなく、すべてを見ることはできなかった。
尾道市立中央図書館を出て向かったのは歩いて五分ほどの広島県立尾道東高等学校(林芙美子が通った尾道高等女学校)である。自転車置き場で帰り支度をしていた一人の男子生徒に声をかけた。彼の話によると、入学時に図書館で林芙美子の話を聞かされたということであった。偶然通りかかった主幹教諭・金久昭彦さんに取材を申し込んだところ、警備員に鍵を開けてもらい、図書室の林芙美子コーナーを見せてもらうことができた。小さなスペースではあったが、林芙美子の写真が天井近くの壁に張られ、何点かの本が展示されていた。
中央が金久昭彦さん。
広島県立尾道東高等学校