竹久夢二伊香保記念館で林芙美子展示会・木暮館長夫妻と食事会

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清水正 熊澤南水さん(中央) 木暮享館長
一月十五日は竹久夢二記念館の木暮享館長に招かれてシラトン都ホテルで午後六時より食事会。木暮享館長、館長の奥様、語り人の熊澤南水さん、山下聖美さんとわたしの五人で、今年没後六十年の林芙美子の展示会の件で話がはずむ。木暮館長は伊香保竹久夢二記念館での林芙美子展示会の具体的な企画案を提示された。木暮館長夫妻とは昨年の六月五日、日芸マスコミ研究会のひとたちと一緒に「おのみち文学の館 『文学記念室』」を訪ねたり、喫茶芙美子で会話を楽しんだ。そのころから木暮館長は林芙美子の本の装丁に注目しておられた。林芙美子本の装丁には川端康成青山二郎梅原龍三郎など著名人が携わっている。竹久夢二に心酔し、三十年以上にわたって研究を続けてこられている木暮館長の審美眼にかなう装丁も少なくなかったようで、今年の二月から開催される夢二記念館での林芙美子展示会は、特に際立った〈装丁〉本が陳列されることになった。また、『浮雲』の中から、伊香保を舞台にした場面を〈語り人〉熊沢南水さんが朗読することになった。この日は六時から十時まで、『浮雲』のこと、林芙美子のこと、竹久夢二のこと、〈文学〉〈語り〉〈人生〉〈恋愛〉〈落語〉〈仕事〉のことなど、時のたつのを忘れて語り合うことになった。熊沢南水さんには五月に日芸の文芸学科で講演していただくことになった。一つの仕事を貫いてこられた木暮館長、熊澤南水さんの話は、経験に裏打ちされた重みがある。芸術や文学にかかわる人間は「一人、一人で、一人」という、甘えのない自立した精神をもって、孤独に徹しなければならない。孤独において通底する関係にこそわたしは魅力を感ずる。樋口一葉の作品を語り続ける熊澤南水さん、竹久夢二を追い続け、夢二を世界へ向けて発信しようと情熱を注ぐ木暮館長、両人は静かな佇まいのなかに、熱い思いをたぎらせている。四時間の談話を今ここで紹介しきれないことを残念に思う。



山下聖美さん 清水正 熊澤南水さん 木暮館長御夫妻