日芸・自動車部新部員歓迎会(連載第十回)・林芙美子文学館訪問

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日芸・自動車部新部員歓迎会(2010/7/28) 林芙美子文学館訪問 
駐車場から歩いて五分、林芙美子文学館についた一行は、黒鳥正人館長夫妻に歓迎された。テーブルにはコーヒーと果物が置かれていた。優しいもてなしに感激する間もなく、黒鳥館長の熱のこもった説明を聞くことになった。館長は疎開中の林芙美子と面識があり、解説にも人間味があふれていた。館長の話を聞いていると、まるでこの家のどこかに林芙美子が生きて暮らしているような感じになってくる。来年は林芙美子が亡くなって六十年になるが、この文学館には生身の林芙美子が確かに存在している。林芙美子研究家や愛好家は必ず一度は訪れて、黒鳥館長の生の声に接し、生きた林芙美子を味わってほしい。展示されている文献資料も豊富で、ここに来なければ見れない貴重な資料もある。今度来る時は、温泉旅館に一泊ぐらいはしたいものだ、というのがみんなの共通した思いであった。
林芙美子文学館のブログには次のように紹介記事が書かれている。

 1階展示室には、貴重な初版本、署名本、限定本、自筆の色紙や掛け軸、手紙やハガキなど400点ほどを紹介している。芙美子の一生を年表などでつづり、他県の記念館や資料館を紹介したコーナーや、夫で画家でもあった中野市出身の林緑敏の絵画も、数点展示されている。

 2階は芙美子が母と夫、養子の4人で生活していたころの雰囲気を壊さぬよう、改装された1階と違い、当時に近い状態で保存されている。窓から志賀の山々や北信五岳が望める「執筆の部屋」には、愛用の机やタンスなども置かれ、息づかいが聞こえるようだ。机に置かれた原稿用紙には、訪れた人の感想などが記してある。

 隣の「語り部の部屋」は、疎開中に親交のあった、約15人の思い出話などをまとめ、いくつかを紹介している。

 作品や書簡の全ては、西澤良治さん(ホテル一の瀬会長)と、柴田家の長女で夫人のいま子さんが寄贈したもの。地元の文化向上と発展の一環になればと、角間温泉旅館組合などで組織する「林芙美子の文学を愛する会」が管理、運営している。

 自身も交流があった黒鳥正人館長の興味深い話から、人間としての林芙美子がかいま見える。説明を聞きながらゆっくり鑑賞しよう。

それでは当日の模様を写真でご覧下さい。今回は一回展示室解説の模様に限ります。