小林リズムの紙のむだづかい(連載483)


清水正ドストエフスキー論全集』第七巻。2014年7月30日刊行予定。
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。

清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

小林リズムの紙のむだづかい(連載483)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


清水正の著作はここをクリックしてください。

http://d.hatena.ne.jp/shimizumasashi/searchdiary?word=%2A%5B%C0%B6%BF%E5%C0%B5%A4%CE%C3%F8%BA%EE%CC%DC%CF%BF%5D


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。
小林リズムさんがエッセイ本をリンダパブリッシャーズ(http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru)から刊行することになりました。本のタイトルは『どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった八日で辞めた話』発売日四月五日。
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
小林リズムの紙のむだづかい(連載483)

【攻撃しなければ許してあげるのに】



「蚊ってさぁ、勝手に人間の血を吸っていくくせに毒まで刺して痒くしていくなんてサイテーだよね」
 と言っていたのは誰だったっけ。それを聞いたとき私は笑いながら「たしかにー」と答えた気がする。
 網戸を開けっ放しにして寝たら、脚に数えきれないくらいたくさん刺されて、真夜中に目が覚めてしまった。もう痒い痒い痒い痒い。信じられないくらいに痒くて「かゆいーーーー」と独り言を叫んだくらいだった。睡眠欲と掻きたい欲は同じ分量で、気づくと意識を朦朧とさせながら足を掻く。掻いているうちに目が覚めてきて、汗までかいてきた。

 仕方がないので蚊を仕留めるために電気をつける。安眠を妨害するなんて絶対に許さない。座禅を組むようなスタイルでしばらくじっとしていると、ふくらはぎに蚊がとまった。ばしっと叩くと、まだ血を吸い始めていない蚊は華麗に身をひるがえして私の手のひらから逃げて行った。悔しい。けれどここで大きく身動きをとると蚊は行方不明になってしまうかもしれない。じっとこらえていると、30秒もしないくちに今度は太腿あたりに蚊が止まった。今度こそはと血を吸い始めたタイミングを見計らって叩き潰す。ぺしっという音とともに私の指に黒い物体がつく。目を凝らして確認すると、まぎれもなく蚊の死骸だった。

 ティッシュでふき取ると、蚊はつぶれたお尻のほうに赤い血をつけていて、「これがあたしの血かー」とまじまじ見入った。血と言ってもほんのちょっとだけしかなくて、一滴にもみたないし、こんな量の血を奪われたところで痛くもない。それなのに蚊は血を盗んだ自分の身を案じてかゆい毒を注入していく。そのせいで恨みを買って叩き潰されるとも知らずに。

 こんなちょっとの血、いくらでもあげるのに。死んだ蚊を眺めながらふーっと息を吹くと、蚊の脚が揺れた。自分の脚を確認すると、掻きむしった跡が真っ赤なアザのような形で残っている。そしてやっぱりひたすら、痒い痒い痒い痒い。あんな小っちゃいからだで人間を痒さのドンゾコに落とすなんて……。

  

小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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