小林リズムの紙のむだづかい(連載2)



紙のむだづかい(連載2)
小林リズム

◆「かわいい!」を連呼したくなる心理 

とりあえず「かわいい!」を連呼してしまう。食事中に友人が箸を落としてしまったときの表情だとか、氷をぼりぼりと噛む姿だとか、ほっぺにまつ毛がついていたりだとか、そういうどうでもいい日常のワンシーンに「可愛い!」と言いたくなる。よく「なんでも可愛いって言う女子って浅はかだよなぁ」と言われるけれど、やめられない。私の思う可愛いは、あなたのような表面的な可愛いとはわけが違うのよ!と思ってしまう。
 男性の言う「可愛い」と女性の言う「可愛い」ってやっぱり違う。男性はまつ毛が長いとか、色が白いだとか、パーツのバランスだとかを全体的にみてカワイイを判断するのに対して、女性はもっとこまごまとしたところに着目していると思う。ふとしたときの瞬間的なかわいさ。ボーっとしているときの顔。小さな爪だとか、ちょっとだけ剃り残しのある産毛だとか、口の横のホクロだとかに。だから、男性の「可愛い」に対する評価にヤキモキする。なんでこの子の良さがわからないんだ、とか、なんでこの子に騙されるんだ、とか。
 ところでこの間の合コンで「女子の言うカワイイは信用できない」とか「女の子が友達のことをカワイイって言うのって性格を良く見せたいだけでしょ?」という男性の意見を耳にした。確かに合コンに誘う自分の友人を「可愛い子がくるから!」というのはもう決まりごとのようだけれど、可愛さなんて主観的なものなんだし嘘をついているわけではない。確かに、私は可愛い友人に嫉妬したりなんかしませんよ、きちんと彼女を可愛いと認めていますよというアピールもあることはあるにはあるのだけれど。
 綺麗な子に「かわいい!」と言わなければなんだかひがんでいるみたいだし、言ったら言ったで「性格の良さアピール?」なんて言われるし、本当に面倒くさい。でも、可愛いって褒め言葉なのだし、とりあえずはこれからも言いたいだけ言わせてもらおうと思う。



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