林芙美子研究のための取材旅行(連載2)

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平成23年4月29日(金曜)

興文館書店を出たのが午後三時半、因島・土生の商店街をぷらりぷらりと歩いて荒神社の階段下へたどり着いた。昨年はちょうど荒神社祭りでこの場所だけは賑わっていたが、今回はシャッターを下ろしていた店は少なかったが、人通りはほとんどなく閑散としていた。芙美子が軍一を訪ねて宿泊していたという松葉旅館は装いを変えて今も階段脇に建っている。去年はそれを確認するのにも島の人たち数人に訪ね、街の中を自転車で走り回った。
 階段を上りきって、今も外観だけは当時の様相を保っている日立造船因島工場を眺めながら、去年と同じく芙美子の軍一を思う心に自分の心を重ねた。しばし時を過ごした後、四時四十七分のフェリーで尾道へと戻り、駅からタクシーで「千光寺山荘」(政府登録国際観光旅館)へと向かった。旅館に着いたのは午後六時。旅館で合流することになっていた此経啓助教授は五時に到着していた。310号室に男四人が泊まることになった。大浴場で疲れをとった後、七時半から夕食。美しい夜景を眺めながら話は弾んだ。此経さんは一人旅の達人らしく、この日はすでに千光寺付近のお寺を回って専門の〈お墓〉探訪もすでにすましていた。

昨年、因島を訪ねた時の記事はこちらをクリックしてください。

http://d.hatena.ne.jp/shimizumasashi/20100621/1277051896
http://d.hatena.ne.jp/shimizumasashi/20100622/1277172882


山崎行太郎さんは今度の旅ですっかり「林芙美子」にはまり込んでいます。建物を見上げる顔にも研究者の趣があります。



























千光寺山荘で合流した此経啓助教授。氏は現在、お墓の研究で暇さえあれば全国各地を旅しています。

山荘について風呂に入り、夕食までの間にポメラで日記をつける。



山下さんと藤野君が食しているのは「たぬき食堂」の木村マスターからいただいた干し蛸の足です。二人はこの日、ずっと「タコタコ、タコタコ、タコ食べたい」とさわいでいました。夕食後、ホテルのひとに頼んでから揚げにしてもらい、われを忘れて食べています。研究欲も盛んですが、食欲も旺盛、たぶん今度の旅で二キロは太っているでしょう。