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清水正・画
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有即無 無即有 有無即空 空即空 空空空 正空 (清水空雲)
随想 空即空(連載213)
ロジオンは自分がはたしてナポレオンのような非凡人としての能力を備えているか、実際に試してみたいという気持ちに駆られることもあったろう。しかし、彼は実際に試してみるまでなく、自分が〈アレ〉を持ちこたえられないことを自覚していた。にもかかわらず、彼はわざわざ老婆アリョーナ宅に瀬踏みに出かけたり、犯行前日、ラズミーヒンを訪ねようとしてふと思いとどまり、来訪は〈アレ〉がすっかり済んでしまってからにしようと考え直す。理性と分別は〈アレ〉を回避しているのに、心の奥底ではまるで〈アレ〉は不可避のこととして受け止められている。橋を渡りながら、一度は悪魔の誘惑から解放され、〈自由〉を得たことを神に感謝しながら、しかし、〈アレ〉へと続く〈偶然〉の置き石を踏まずにすますことはできなかった。
センナヤ広場で古着屋の夫婦とリザヴェータの対話を耳にしたロジオンは、明日の夜七時にリザヴェータが外出することを知って〈アレ〉が決定づけられたことに衝撃を受ける。犯行当日、ロジオンは予め殺し の道具に予定していた料理用の〈斧〉が、いつもは買い物に出かけて不在のはずのナスターシャが台所に居たことで手に入れることができず、〈アレ〉を諦めかける。しかし中庭に出てみると、庭番小屋の奥に光るものを目にする。近寄ってみると、庭番は不在で、光るものは薪割り用の〈斧〉であった。ロジオンは躊躇なく〈斧〉を外套の内に抱え込むと老婆宅に向かって歩き出す。ロジオンはまさに作者〈神=悪魔〉が準備した〈運命〉の予定表通りに歩き出している。これらの場面に関してはかつて詳細に検証したのでここでは繰り返さないが、何度読み返しても戦慄が走る。ロジオンはオイディプスと同様、自らに与えられた〈運命〉を生ききるほかはないのである。
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