山崎行太郎・清水正と私と『ドストエフスキー論全集』(連載2)



https://www.youtube.com/watch?v=MlzGm9Ikmzk

これを観ると清水正ドストエフスキー論の神髄の一端がうかがえます。日芸文芸学科の専門科目「文芸批評論」の平成二十七年度の授業より録画したものです。是非ごらんください。

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新刊本の紹介
清水正ドストエフスキー論全集』第10巻(2018年3月25日発行 D文学研究会)の栞原稿を紹介します。今回は文芸評論家の山崎行太郎氏の文章を三回にわたって紹介します。
清水正と私と『ドストエフスキー論全集』

山崎行太郎




(3)
 
さて、私が、最初に本物の清水正を間近に見たのは、文芸評
論家の富岡幸一郎の結婚式だった。場所は、明治記念館。清水
正は、仲人として出席していた。私は、当時、若手批評家が集
結していた「批評研究会」の仲間の一人として、三田誠広や岳
真也、川村湊渡部直己、菊田均等の中に、まぎれこんでいた。
たしか、富岡幸一郎が師事していた秋山駿もいたと思う。しか
し、その時は、一言も喋っていない。遠くから、「あれが清水
正か…」と眺めていただけだった。長身痩躯で、近寄りがたい、
ドストエフスキー的な雰囲気の人だった。
 
私が二回目に清水正と出会ったのは、私の『小説三島由紀夫
事件』の出版記念会だった。清水正は、出版会の司会をしてく
れた某氏の友人として出席してくれたのだった。しかし、この
時も、簡単な挨拶をしただけで、まともに口をきいていない。
その後、清水正教授から直接電話があり、私は日大芸術学部
非常勤講師となり、毎週、講義後、江古田界隈の居酒屋で、清
水正教授と酒席を共にするようになった。
  二十歳そこそこで、池袋の某書店で、「清水正」という名前を
発見し、記憶して以来、忘れたことはなかったが、私が、清水
正と「唯一無二の親友」(笑)になるとは予想もしていなかった。