小林リズムの紙のむだづかい(連載365)

清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。


清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

小林リズムの紙のむだづかい(連載365)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


清水正の著作はここをクリックしてください。

http://d.hatena.ne.jp/shimizumasashi/searchdiary?word=%2A%5B%C0%B6%BF%E5%C0%B5%A4%CE%C3%F8%BA%EE%CC%DC%CF%BF%5D


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんがエッセイ本をリンダパブリッシャーズ(http://lindapublishers.com/ )から刊行することになりました。本のタイトルは『どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった八日で辞めた話』発売日四月五日。

小林リズムの紙のむだづかい

【たいしたことない話】



 

いつだったか小説で、お臍の整形をしたいと訴える女子高生の娘を持つ母親の話を読んだことがあった。「自分の身体にメスをいれるなんて…」と言いつつも娘の強引な訴えにしぶしぶと病院に付き添う母親。はじめのうちこそ「お金が…」「未成年だし…」と否定的だったけれど、医者の説得によって次第に気持ちを変えていく。さらに「どうです?その目尻のシワをとったら、もっと綺麗になれますよ」と勧められたことをきっかけに、どんどん整形にのめり込んでいく…という話だった。

何事も、やったことのないうちや経験したことのないうちは、すごいことのように思える。この小説でも、母親が整形に対して偏見を持っていたのに、自らが整形をすることによって「たいしたことないじゃない」と開き直っていく展開が見物だった。
世界を傍観していると、自分がその枠内にはいないから中で起こっている出来事に対して独断や偏見を持ち合わせることがある。少し前までの私は、水商売も失職も同じようにスゴイヤバイことのように思えていた。自分は絶対に足を踏み入れない場所だと思っていた。どちらも経験してみて思ったのは、ほんとうに良くも悪くも「たいしたことないじゃん」ってことだ。

でもこの小説には続きがあった。
「ちょっとくらいたいしたことなかった」と気づいた整形。綺麗になって夫の反応を期待していたのに、夫は妻や娘の整形にちっとも気づかない。「やっぱり整形なんてたいしたことないのね…」と、母と娘は脂肪吸引やら目元の整形などを繰り返していく。度重なる整形によって、こっそり貯めていたへそくりも底を尽きてしまう。
最後は、夫が泥酔して帰ってくるシーンで終わった。夫は自分の妻や娘に対して呂律のまわらないしゃべり方で照れながらお願いするのだ。「すみません、女房を呼んでくれませんか…」


どんな世界も、実際にやってみると自分が思っているよりはたいしたことないのだと思う。「ちょっとくらいたいしたことない」。でもそれが連続して積み重なっていくと、いつかは後戻りのできない域に達する。自分の気づかないうちにじわじわと。そう思うと背筋がひやりとした。




 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
http://ameblo.jp/nanto-kana/

twitter:@rizuko21


※肖像写真は本人の許可を得て撮影・掲載しています。無断転用は固くお断りいたします。