「文芸入門講座」第二回目(2010/7/10)

ここをクリックしてください エデンの南   清水正の林芙美子『浮雲』論連載    清水正研究室  
清水正の著作   D文学研究会発行本
「文芸入門講座」は文芸学科専任教員が二回ほど担当する専門科目。今年度、六月五日が第一回目担当であったが、この日は林芙美子研究のため尾道因島へむかったので休講。六月十二日が第一回目となった。ドストエフスキー文学の現代性について話した後、私が監修を担当した「お厚いのがお好き」(第10回 2003年6月13日放送 〜お笑い芸人で読み解く〜ドストエフスキー罪と罰」)のビデオを見てもらう。第二回目が七月十日。ドストエフスキー宮沢賢治の話。『カラマーゾフの兄弟』に匹敵する『銀河鉄道の夜』。時間がないため詳細に語ることはできなかったが、文学のすばらしさは伝わったのではないかと思う。人間の謎を解き明かすために小説を書き続けたドストエフスキー。謎を解こうととすると言葉が迷う、神が秘め隠した神秘を被造物の人間が解くことはできない、しかしその謎と神秘に直面して一歩も退かないこと、その地点に立ち続けて言葉によって表現することが文学であることなど、基本中の基本について話す。『罪と罰』に関してはラスコーリニコフ一家の奇妙さ、考えることを仕事にしているロジオンに注目した北村透谷のことを紹介したあと、ロジオンのセリフに全身を震わせて笑う女中ナスターシャこそがロシア民衆のたくましい健全さを備えていること、ドストエフスキー文学には大いなる母性が欠如していることなどを話す。黒板に描いた痩せこけたソーニャ、このソーニャに向かってシベリアの囚人は「おっかさん」と呼びかける。私はソーニャに代わるべき豊饒な女性にこそ大いなる母性を賦与すべきであると考えている。



授業後、清水ゼミの面々

清水ゼミの面々

六月十二日は「文芸入門講座」を終えて共同研究のため六本木へ。
「お厚いのがお好き」を見る(六月十二日の授業)

「ブルーマン」の劇場前で

共同研究の先生方と六本木で「ブルーマン」を観る

ルーマンを撮影

六本木で飲みながら感想を述べ合う