随想 空即空(連載184)

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随想 空即空(連載184

清水正  

  フョードルは酒を飲みながら初な童貞君のアリョーシャに向かって〈坊さん女郎〉の話をする。表向き清廉潔白な生活をしている修道院の僧侶も影では女郎屋通いをしているというわけだ。酒場経営に長けていたフョードルは、同時に淫売稼業の裏表にも通じていた。フョードルの人間を見る眼差しには微塵の容赦もない。ゾシマ長老の秘密の暗部に眼差しを注ぎながら、徹底して道化を演じているのがフョードルなのである。内部に悪魔の子供を抱え込んでいたアリョーシャが、やがてフョードルの人生を支配していた〈淫蕩〉の問題に直面することは不可避であったろう。が、それを描くことはドストエフスキーの死が許さなかった。

 ロシア正教の宣教師ニコライ主教もまた人間である限り〈淫蕩・色欲〉の問題を回避することはできない。しかし、彼の記した日記にそういったことが書かれることはない。ドストエフスキーキリスト者ソーニャを淫売婦に設定したような視点を、ニコライ主教は自分自身に向けることはなかった。結婚もせず、生涯独身を通した信仰者たちにおける〈淫蕩・色欲〉の問題に正面から取り組んだ研究者はいるのだろうか。こういった領域の研究は暗黙のうちにタブーとなっているのだろうか。

 こと〈淫蕩・色欲〉に関しては宗教論文よりは、やはり文学が具体的に描くことができよう。ドストエフスキーの文学作品に直接的な性描写はないが、読みようによっては〈描かれざる性描写〉が実に豊穣である。もしドストエフスキーが〈同情〉〈淫蕩・色欲〉〈暴力〉を抱え込んだ人間たちを登場人物にして戦争小説を書いたら、そこに戦慄すべき人間群像が浮かび上がってきたことだろう。

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