図書館長室で朝日新聞東京本社文化くらし報道部の宇佐美貴子さんに林芙美子のことで取材を受ける

本日は十二時より二時半まで図書館長室で朝日新聞東京本社文化くらし報道部の宇佐美貴子さんに林芙美子のことで取材を受ける。林芙美子の文学、特に『浮雲』がドストエフスキーの『悪霊』の影響を受けていること、富岡謙吾は和製ニコライ・スタヴローギンであることなどを話す。宇佐美さんは『罪と罰』『悪霊』を読んでいたので、熱が入り、いつの間にか林芙美子からドストエフスキー文学の現代性にまで話は及んだ。ドストエフスキーの文学は時代を超え、民族を超え、言語さえ超えて読み継がれていくものだということを力説。現代における殺人事件やテロルなど、ドストエフスキーはすでに十九世紀において書き尽くしていることをまずは知らなければならない。宇佐美さんには私の林芙美子論五冊と『清水正ドストエフスキー論全集』の第五巻「『悪霊』の世界」をさしあげた。実に充実した二時間半であった。

図書館長室で記念撮影。