小林リズムの紙のむだづかい(連載572)



清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。

清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

小林リズムの紙のむだづかい(連載572) 
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


清水正の著作はここをクリックしてください。

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四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

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小林リズムの紙のむだづかい(連載572)



【スムーズじゃなくていい】


 


 今の彼と付き合う前に、何人かの人と何度かデートをしていた。恋愛経験もそんなにないし、世の中にはどんな男性がいてどんな人が自分に合うかなんて全然わからないから、世界観を広げるためにもぴったりだと思った。

 そんななかで、ふたりの男性が印象に残っている。
 ひとりはいつもにこにこ笑っているような人で私より4歳年上の人だった。某大手企業に勤めているらしく、待ち合わせ場所には仕事帰りのスーツ姿でビジネス用のバッグを持って登場した。食事をする場所は、東京駅。初デートに選んだ場所のセンスの良さからいって「ああ、この人は私とは合わないかもな……。もっと女子力の高い子のほうが合うんだろうな」と思ったけれど、本当にそうだった。イルミネーションの見える場所で、イタリアン料理を選んでいたから。
 お店の予約も、会話も、そして食事も、すべてにおいてスムーズで、「女子が喜ぶ」という会計の仕方までもが完璧だった。つまりは、私がお手洗いに行っている隙に会計を終わらせていたのだ。
 私はこういう要領よく女の子が喜びそうなことをしてしまう人が苦手で、だから終始引きつった笑顔を浮かべていた。別れたあとはどっと疲れたし体力を消耗した。向こうのベースに、こちらのベースが噛み合っていなかったのだ。もし付き合ったとしても、おそらく彼の求めているものに私が応えられないと爆発する日がくるだろう。

 もうひとり、印象に残っている人はすごく不器用な人だった。いつも怯えているような感じで、私の意見をすべて飲み込んで、メールというツールをつかってもあまり会話がはずまず、コミュニケーションをとるのがあまり上手でなかった。夜10時半にはいつも寝るらしく、朝早くに起きて勉強をするらしい。傘を持っていたので「雨なんてふっていないのに」と私が言うと、リュックにも折り畳み傘を入れてきていることが発覚した。「もし雨が降ってきたら貸してあげようと思って」と言っていたからびっくりした。最初からひとつの傘にふたりで入ろうという意識がない。そういうところはいいなと思ったし、また傘を持ってきておきながらも「男が雨をふったくらいで傘をさすのは好きじゃない」と話すのも面白かったけど、私とは価値観が違った。
 いや、もちろん人間なのだから価値観がまったく同じになることなんてないけど、きっと彼は家事ができてにこにこと手料理をふるまうような女の子と付き合いたいんだろうな、と思った。実際に本人に聞いたわけじゃないからわからないけど、彼の母親が料理上手だったことと、彼が食べることが好きではないと知ったこと、それから子どもが苦手と言っていたところから、私とは合わないと思った。

 恋愛相手は人として優れているとか劣っているとか、大手企業勤めとか頭がいいとか年収がいいとかそういうことじゃなくて、とことん「合う」か「合わない」かなのだと思う。だから振られたからといって自分自身が否定されたかのように思う必要はないし、欠陥があるのではないかと不安に思う必要もない。
 そしてやっぱり自分に合う人を見つけることは単純に互いの条件をすりあわせるよりも難しく、出会ったのなら掛け替えのない存在になると思う。




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