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清水正・画
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有即無 無即有 有無即空 空即空 空空空 正空 (清水空雲)
随想 空即空(連載200)
ポリフォニック的思考法とモノローグ的思考法を観念の次元でのみ考えることはできない。人間は意識存在であると同時に肉体存在でもある。物事を判断する時に感情も大いに作用する。理屈ではAもBもCもDも等価であると見なしても、理屈の次元に感情が入り込めば暢気に〈等価〉などとは言っておれないことになる。人間の生きている世界には様々な欲(性欲、物欲、権力欲、名誉欲)や好き嫌いの原初的な感情がからみあって取引・駆け引きが行われている。口先できれいごとを並べても、たいていの場合、人間の判断にはこの欲がまとわりついている。ひとによっては欲丸出しの者もあり、こういった人間にいくら高尚なことを言っても無駄である。戦争時における宗教的理念や信仰が国家の方針のもとにあっていかに無力であったかを見れば、改めてこんな事を強調するまでもないであろう。
人間の行動はいったい何によって支配されているのか。思想や信仰によって自分の言動を厳しく律する者がある。しかしそれも国家が有事の時は容赦なく試されることになる。革命思想の実践のために国家権力と壮絶な闘争を繰り返し自らの命を絶った者は少なくない。彼ら革命戦士は革命に真理を見いだしており、そのことに厳しい批判の矢を放つことはない。彼らの大半は革命後の全体主義的な統制支配に疑問を持つどころか、そこに人間社会の理想郷を見いだしていた。
ドストエフスキーは『悪霊』のシガリョフなどを通して、社会主義の到達点を一部の支配者による一般大衆の奴隷化社会として描き出した。歴史はそれを証明した。依然として人間の自由と平等を実現するのが共産主義社会だと妄信している者は少なしとしない。彼らは未だにドストエフスキーの文学世界とは無縁なところで地上世界における人間のユートピア実現を夢見ている。人間の複雑怪奇な神秘的側面に関してマルクスやマルクス主義者の楽観ぶりは度し難い。人間の権力欲は、共産主義者のトップクラスにおいて存分に発揮されることなどすでに証明済みであるにも拘わらず、彼らは人間全体を理想的な幻想で包みきろうとする努力を止めようとしない。階級闘争や経済制度の是正などで人間が自由と平等を獲得できるなどと考えること自体が稚拙な思考である。
ドストエフスキー文学が提起しているのは、人間は権力欲や性欲を満足させることに第一の価値を置く者があり、彼らの謂わばサド侯爵直伝の悪の哲学を論破できる者はいないということである。この人間内部に潜む様々な欲望の実態を描き出したのがドストエフスキーであるが、共産主義者たちは彼ら自身を含め人間の本性的な心理の深淵に降りていくことがなかった。彼らは自分が描いた理想的な絵柄を記したタオルで目隠しして、現実を凝視することなく幻想を論理化し体系化したに過ぎない。いずれ幻想は幻想としての姿を露わにせざるを得ない。
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