随想 空即空(連載74)内村鑑三の最初の結婚と破局を巡って#ドストエフスキー&清水正ブログ#

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随想 空即空(連載74)内村鑑三の最初の結婚と破局を巡って#ドストエフスキー清水正ブログ#

清水正

 

    鑑三の手紙を読んでいると、タケとの破婚はなるべくしてなったと思わざるを得ない。まず鑑三の母親が結婚に大反対だったことが最大のネックであった。母親のヤソはタケが「利口すぎる、学問がありすぎる、頭がよすぎる」を反対の理由としてあげている。鑑三が言うように、本来これは結婚に有利な条件である。学問があって賢い娘が自分の息子と結婚すること自体は何の問題もなかろう。注意しなければならないのは、タケが大家族の内村家に嫁いで生活を共にすることを考えてヤソが反対していることである。鑑三の父宜之は廃藩置県で武士の地位を失い、四十半ばにして家督を鑑三に譲って隠居している。ヤソは八人の子供を生み、そのうち三人(次男の城次、長女のコマツ、五男の剛作)を亡くしている。当時、内村家には鑑三の弟三人(三男の悦三郎、四男の道治、6男の順也)と妹の宜子がいた。それに両親の二人で鑑三を含めれば七人いた(悦三郎は札幌農学校に九月に入学していたので、結婚当初は家にはいなかった可能性もある)。評伝によれば、正確な時期は不明だが、そのほかに子連れの親戚の者が居候していたともある。詳細な間取りは不明だが、部屋は三間しかなかったということであるから、それだけでもかなり複雑な家庭環境と言える。

 ヤソは「嬶天下と空っ風」で有名な〈上州人〉である。嫁のタケも同じく〈上州人〉である。ヤソは武士の娘として育っており、宜之のもとに嫁いで内村家の家庭(家計)をしっかりと守り支えてきた女である。このしっかり者で自己主張の激しい姑のもとで、これまた学問もあり自己主張もするタケがうまくやっていけるはずもない。内村家に〈嬶天下〉は一人いれば十分で、そこにもう一人の〈嬶天下〉が入り込む余地はなかったのである。おそらくそんなことは鑑三といえども分かっていたはずで、彼は最初の一年ぐらいは家から独立して結婚生活を送ることも考えていた。それを妨げたのはどうやら金銭問題であったらしい。隠居の宜之にこれといった収入はなく、表向き内村家の経済的な基盤はもっぱら鑑三一人の働きに頼っていたらしい。しかもこれも正確なことは不明だが、鑑三はタケに学費その他の金銭的援助もしていたらしい。離縁する以上はこういった援助も断ち切らなければならないとタケに告げている。居住空間、家族の人数、姑ヤソとタケの性格などを考えれば、鑑三の結婚は最初から無理があったが、その上、鑑三は仕事(農商務省勤務)の関係上、一ヶ月以上の出張もあった。こういった事情を予め具体的客観的に示されれば、たいていのおなごは結婚に躊躇するに違いない。こういった無理を承知で、大反対の母を執拗に説得し、ごり押し的に結婚に踏み切った鑑三の我が儘ぶりはきちんと見ておく必要があろう。はっきり言って、鑑三はタケの側に寄り添って好意的な想像力を働かせることのできない男なので、批評する側がとりあえずタケの弁護人の役もはたさなければならない。

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