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随想 空即空(連載69)内村鑑三の最初の結婚と破局を巡って#ドストエフスキー&清水正ブログ#
男と女の間の問題は当事者であってすら明快でない。年譜を見て、わたしは鑑三の最初の結婚と離婚に関して興味を抱いた。どこでどのようにして浅田タケと知り合い、結婚に至ったのか。そしてなぜ半年あまりで破局したのか。鑑三は書簡においてタケとの関係について書いているが、それを読むと、もちろん彼がタケに対して恋情を抱いたことはとうぜんだが、結婚に関しては母親の反対があったことが知れる。母親はタケの賢いこと、学問のあることに懸念を抱いたようだが、もちろんそれだけではないだろう。息子の最初の結婚に無条件で賛成する母親はむしろ稀であり、タケとの結婚に反対した母やその複雑に屈折した心情はよく理解できる。鑑三は母親の反対を押し切ってまでタケと結婚する気はなかったようだから、鑑三なりの説得があったと思われる。が、半年後の離婚は、母親の懸念が的中したと言える。腹を痛めて生み育てた息子の性格など母親はお見通しであったろうから、やそは鑑三とタケとの結婚生活を維持する上での相性に本能的に疑問を感じていたのだろう。
鑑三とタケの結婚に至るまでの経緯に関しては、鑑三の日記や書簡、それにその事情を知る者の証言などによって知るほかはない。わたしは鑑三に関する研究文献や伝記の類のすべてを読んでいるわけではないが、基本的な情報を踏まえた上で想像力を働かすほかはない。鑑三の母親や父親の証言がそのまま残っているわけではないし、タケ側の証言は全くない(これを執筆している時点で)。タケが鑑三のことをどう思っていたのか、彼女が記した思い出や鑑三宛の手紙など残っているのだろうか。タケは鑑三と出会い、相思相愛の仲になる以前、どのような男を好きであったのか。鑑三と結婚してから、タケが他の男と不義を犯したというなら、それはどういう事だったのか。鑑三が語らず、タケが語らないのであれば、その真実を具体的に知ることはできない。タケが異性関係において奔放だったとしても、それはタケがどのような恋愛観を抱いていたかによって印象はことなる。新しい、西欧風の自由恋愛の信奉者であれば、古い結婚制度などに束縛されることもなく、つまり結婚していても恋愛の自由は自らに認めていたかも知れない。タケが学問もあり、人一倍賢い女だったとすれば、彼女がなによりも自分の自由を尊重していたかも知れない。思いこみの激しい、自我意識の強い鑑三が、結婚したことでタケを自分のものだと思っていたとしたら、日々の生活の中で二人の間に齟齬が生じたとしても不思議ではない。小さな些細なことで齟齬は生じ、それが取り返しのつかない大きなひび割れとなって生活の破綻をもたらすことは別に珍しいことではない。それに男と女の関係において重要なのは性的次元の事である。このことは余りにもプライベートな事なので、当事者はもとより、研究者も無闇に口出しできないことになっている。従って、限りなく想像力を働かして小説にでも仕立てるのでなければ、鑑三とタケの関係を浮き彫りにすることはできない。鑑三が岩野泡鳴並に自分とタケとの性的関係を〈私小説〉風に赤裸々に書いてくれれば、その〈フィクション〉を透かして〈事実〉に肉薄することも可能だろうが、無い物ねだりをしても仕方がないので、わたしは残された鑑三の書簡や日記、伝記を元に想像を逞しくする他はない。
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「清水正研究」No.1が坂下ゼミから刊行されましたので紹介します。
令和三年度「文芸研究Ⅱ」坂下将人ゼミ
発行日 2021年12月3日
発行人 坂下将人 編集人 田嶋俊慶
発行所 日本大学芸術学部文芸学科 〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1
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