随想 空即空(連載17) 清水正

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随想 空即空(連載17)

清水正

 

 白鳥が七十歳になって内村鑑三について書こうと思い立ったことは興味深い。白鳥は鑑三に出会って以来、ずっと鑑三の生き方を見つめ続けてきたのであり、ということは、キリスト教について、キリストについて、信仰について絶え間なく考え続けてきたことを意味する。青年白鳥に〈凡書〉としか見えない、そのバイブルの研究に生涯を費やしたキリスト者内村鑑三は白鳥にとってどうしても解き明かさなければならない〈謎〉として立ちはだかっていたはずである。

 理性的知性的人間がどうしてイエスの山上の垂訓を何の疑問も持たずに受け入れることができるのか。この疑問はひとり白鳥だけのものではない。イエスの言葉をそのままに受け入れることは、この世界で死ぬこと、殺されることを意味する。わたしは何度でも言うが、七十、八十歳まで生きるキリスト者キリスト者と見なすことはできない。イエスは三十余歳で十字架に掛けられたが、イエスの生き方は長生きを許さないのである。

 「汝姦淫するなかれ」ひとつ取っても、こんな厳しい戒律を守れる人間はいない。なぜこんな誰もできないことをイエスは弟子たちに向かって言ったのであろうか。わたしはイエスの言葉に従うことはしないし、その言葉がすべてすばらしいとも思わない。わたしはイエスの言葉に従うか従わないかを考える前にばかばかしくなってしまう。なぜ内村鑑三はイエスの言葉を受け入れられたのか。わたしは未だに不思議に思っている。

 初めて内村鑑三の「余は如何にしてキリスト信徒となりしか」を読んだとき、わたしは鑑三はキリスト者ではないなと直感した。わたしの素朴な疑問は、なぜキリスト者でない者がキリスト者であると思い込んだのかということであった。わたしは内村鑑三に関する研究論文をほとんど何も読んでいないので、確かなことは言えないが、「余はいかにしてリスト信徒となりしか」を読んで、鑑三をキリスト者でないと見なした者はおそらくいないのではないかと思う。しかしわたしはこの直観に今でも忠実でありたいという気持ちが強い。今しばらくこの直観を保ちながらこの批評を進めていきたい。洗礼まで受けた白鳥がしばらくして棄教したことを考えれば、信仰の問題は単純ではない。イエスの発した言葉にいちいち検証を加えて、なおイエスの言葉に従えるということは、いったいどういうことなのか。

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清水正研究」No.1が坂下ゼミから刊行されましたので紹介します。

令和三年度「文芸研究Ⅱ」坂下将人ゼミ

発行日 2021年12月3日

発行人 坂下将人  編集人 田嶋俊慶

発行所 日本大学芸術学部文芸学科 〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1

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表紙

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