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清水正・画
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有即無 無即有 有無即空 空即空 空空空 正空 (清水空雲)
随想 空即空(連載12)
イエスの言葉をそのまま受け入れて〈キリスト者〉になった者は、はたして本当に不信と懐疑を乗り越えていったのだろうか。改めてルカ福音書4章1~2節を読んでみよう。
「さて、イエスは聖霊に満ちて、ヨルダン川から帰られた。そして、霊によって荒れ野に導かれ、四十日間、悪魔から試みを受けられた。」〔Иисус, исполненный Духа Святого, возвратился от Иордана и поведен был Духом в пустыню Там сорок дней Он был искушаем от диавола〕
〈聖霊〉(Святой Дух)に満ちたイエスを荒れ野に導いたのは〈霊〉(Дух)である。何のために? 〈悪魔〉(диавол)によって試みられるためにである。ロシア語訳で明らかなように、〈聖霊〉と〈霊〉は最初の文字が大文字になっているが、〈悪魔〉は小文字である。最初から差別化が図られているが、これは聖書編纂者が〈悪魔〉を〈聖霊〉と〈霊〉の下位に置いていた一つの証である。『カラマーゾフの兄弟』のドミートリイは、神と悪魔が永遠に決着のつかない戦いをしているのが人間の心であると言っていた。ドミートリイによれば〈神〉と〈悪魔〉は同等の力を持っていて、そこに優劣の差はない。
それにしても福音書の記述は一筋縄ではいかない。なにしろ〈霊〉(Дух)は〈聖霊〉(Святой Дух)に満ちたイエスを〈四十日間〉も〈悪魔〉(диавол)によって試みさせているのである。結果としてイエスは〈悪魔〉の誘惑を退けたことになっているが、考えようによってはこの〈悪魔〉(диавол)は力不足に過ぎなかったとも言えよう。つまりこの荒れ野の〈悪魔〉(диавол)はドミートリイの心に巣くった〈悪魔〉(дьявол)のように、〈神〉(бог)と同等の力で闘うことができなかったということである。
生活人としての常識に立てば「耶蘇の説教は実行すべからざる空論」と断言する白鳥を否定することはできない。上着を取られたら下着を与えよ、右の頬を打たれたら左の頬を差し出せ、汝の敵を愛せよ、とかキリストの言葉は常軌を逸して過激である。白鳥は〈姦淫の訓戒〉も〈人間固有の性に背いている〉と一刀両断で切り捨てている。
一人の平凡な生活人として生きる者にとってキリストの言葉に従うことはその生活からの離脱を意味し、さらに他の生活人からの反感や弾圧を招くことになる。分別と常識に従えばキリストの言葉は〈実行すべからざる空論〉であり、敢えて実行する者はキリストと同様の十字架を背負う覚悟しなければならない。
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「清水正研究」No.1が坂下ゼミから刊行されましたので紹介します。
令和三年度「文芸研究Ⅱ」坂下将人ゼミ
発行日 2021年12月3日
発行人 坂下将人 編集人 田嶋俊慶
発行所 日本大学芸術学部文芸学科 〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1
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