大学教育人気ブログランキングに参加しています。応援してくださる方は押してください。よろしくお願いします。
清水正の著作、レポートなどの問い合わせ、「Д文学通信」掲載記事・論文に関する感想などあればわたし宛のメール shimizumasashi20@gmail.com にお送りください。
清水正・画
愛するものを失った悲しみの叫び〈ピーッ!〉が聴こえるか!
坂本龍一の「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」(連載第2回「新潮」8月号)に次のような文章がある。
生物学の分野でも哲学の分野でも「動物に感情はあるのか?」という議論を目にしたりするけど、ぼくに言わせれば「ふざけんじゃねえ、あるに決まっているじゃないか!」のひとことです。
10年ほど前に、フランスで話題になった何枚かの連続写真があります。道端に燕の夫婦がいて、どうやら妻の方が少し前に交通事故に遭ってしまった。その怪我を負ってグッタリした妻のもとへ、夫の燕が何度も頑張って餌を運びながら、励まし続けるんですね。だけど最後には妻が力尽き、死んでしまう。すると、それを知った夫が大きな口を開けて「ピーッ!」と、全力で叫ぶ――その一連の様子がカメラで捉えられていました。本当に辛く、悲しい場面です。(199)
愛する者を失った悲しみ、憤怒の叫び〈ピーッ!〉に感応する心のないものが文学や芸術に携わることはできないだろう。わたしはこの〈ピーッ!〉でドストエフスキーの作品を読み続け、宮沢賢治の作品を読み続けている。
理屈を並べればどんなことでも言えるが、この〈ピーッ!〉に感応できない生物学者、科学者、哲学者は未だ世界の神秘に直面しているとは言えない。動物どころか、すべての昆虫、魚、植物にも、わたしは感情が備わっていると思っている。
だから辛いのだ。この世界に生きるものは例外なく、他の生きものを食して生きている。燕も生きるためには虫を餌としなければならない。宮沢賢治の『よだかの星』や『フランドン農学校の豚』などを読めば、憤怒の一義の声を大きく発することはできず、深い沈黙の深淵にたたずむほかはなくなる。
わたしは沈黙せざるを得ない深淵を抱え込みながら、それでも〈ピーッ!〉となきつづける。それがわたしの文学であり批評である。
今、ウクライナの戦場で、いたるところで〈ピーッ!〉が叫ばれている。プーチンはこの叫びをどのように聴いているのか。
大学教育人気ブログランキングに参加しています。応援してくださる方は押してください。よろしくお願いします。
お勧め動画AliciaFord
プーチン独裁をなぜ国民は許しているのか考えてみた その1。ゴルバチョフ・エリツィン・プーチン、3大統領の1990年〜2000年。
大学教育人気ブログランキングに参加しています。応援してくださる方は押してください。よろしくお願いします。
エデンの南 清水正コーナー
動画「清水正チャンネル」https://www.youtube.com/results?search_query=%E6%B8%85%E6%B0%B4%E6%AD%A3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB
お勧め動画・ドストエフスキー『罪と罰』における死と復活のドラマ雑誌には https://www.youtube.com/watch?v=MlzGm9Ikmzk&t=187s
清水正の著作購読希望者は下記をクリックしてください。
https://auctions.yahoo.co.jp/seller/msxyh0208
お勧め動画・池田大作氏の「人間革命」をとりあげ、ドストエフスキーの文学、ニーチェの永劫回帰・アポロン対ディオニュソス、ベルグソンの時間論などを踏まえながら
人間のあるべき姿を検証する。人道主義(ヒューマニズム)と宗教の問題。対話によって世界平和の実現とその維持は可能なのか。人道主義と一神教的絶対主義は握手することが可能なのか。三回に分けて発信していますがぜひ最後までご覧ください。
「清水正研究」No.1が坂下ゼミから刊行されましたので紹介します。
令和三年度「文芸研究Ⅱ」坂下将人ゼミ
発行日 2021年12月3日
発行人 坂下将人 編集人 田嶋俊慶
発行所 日本大学芸術学部文芸学科 〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1
大学教育人気ブログランキングに参加しています。応援してくださる方は押してください。よろしくお願いします。