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「目には目を」。トルストイの言葉に耳を傾けよう。そしてドストエフスキーの言葉に。
ロシアのウクライナ侵攻を連日、動画で目の当たりにして、ふと思い浮かんだ言葉を記しておこう。
「目には目を、歯には歯を」(「ハンムラビム法典」「出エジプト記」21章24節)
「『目には目で、歯には歯で。』と言われたのを、あなたがたは聞いています。しかし、わたしはあなたがたに言います。悪い者に手向かってはいけません。あなたの右の頬を打つような者には、左の頬も向けなさい。」(「マタイ福音書」5章38~39節)
次にトルストイの「神の王国は汝らのうちにあり」から引いておく。
「キリスト教を暴力や戦争と結びつけることの不可能であることはとうの昔から認められている」
「われらの祖国としてわれらが認めるのは全世界であり、同胞として認めるのは全人類である。われらがその郷土を愛することは、他国を愛するのと変わりはない。わが同国人の利益、権利はわれらにとって全人類の利益や権利より貴重なわけではない。したがってわれらとしては、愛国心の感情がわが国民に加えられた侮辱や損害に対する復讐を正当化するかもしれぬということを見のがすわけにはいかない。」
「われらが非キリスト教的、非合法的と認めるのは戦争そのもの――侵略的なのも、防御的なのも含めて――ばかりではなく、あらゆる戦争準備――すべて兵器廠、要塞、戦艦などの整備――も同様である。」
「目には目を、歯には歯をという旧約の刑法はイエス・キリストによって廃止されたこと、また新約によれば、すべてのキリストの追随者たちには、いかなる場合にも例外なく、敵に対しては復讐の代わりに宥恕が説かれていることをわれらは信じる者である。」
非戦論を唱えたトルストイの思いを現代のロシア人はどのように受け止めるのか。独裁者ぶりを発揮しているプーチンは十九世紀ロシア文学の偉大な文化的資産をどのように継承するつもりなのか。ドストエフスキーは『カラマーゾフの兄弟』のドミートリイ・カラマーゾフを通して、神と悪魔が決着の付かない戦いをしているその戦場が人間の心だと語った。プーチンは今、自らの心を神と悪魔の戦場としているのだろうか。それとも、ドストエフスキー的な信仰や懐疑とは縁のない、一義的な真理や正義を信じ込んでいる独裁者に過ぎないのだろうか。
「一杯のお茶が飲めれば世界なんぞ滅びたってかまやしない」「ばかばかりが行動家になれるのだ」――ドストエフスキーが『地下生活者の手記』で描いた人間精神の深遠、深刻、複雑きわまる世界は、現実の政治家たちには畢竟とどくことはないのであろうか。理性は情欲の前に屈するとは『罪と罰』のスヴィドリガイロフの言葉だ。理性、同情、愛、信仰もまた権力欲の前には無力をさらす外はないのであろうか。2022/03/03 05:33
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エデンの南 清水正コーナー
動画「清水正チャンネル」https://www.youtube.com/results?search_query=%E6%B8%85%E6%B0%B4%E6%AD%A3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB
お勧め動画・ドストエフスキー『罪と罰』における死と復活のドラマ https://www.youtube.com/watch?v=MlzGm9Ikmzk&t=187s
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「清水正研究」No.1が坂下ゼミから刊行されましたので紹介します。
令和三年度「文芸研究Ⅱ」坂下将人ゼミ
発行日 2021年12月3日
発行人 坂下将人 編集人 田嶋俊慶
発行所 日本大学芸術学部文芸学科 〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1
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