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『ドラえもん』の凄さがわかります。
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矢代羽衣子さんの『うちには魔女がいる』は平成二十六年度日本大学芸術学部奨励賞を受賞した文芸学科の卒業制作作品です。多くの方々に読んでいただきたいと思います。
矢代羽衣子
うちには魔女がいる(連載21)
七草なずな
賑やかで忙しないお正月も終わり、どこか浮世離れしていた空気感も徐々に薄れていく。
バーゲンセールに闘志を燃やすタイプでもなければ、初日の出を見に行ったり、この凍える寒さの中長蛇の列に並んで朝一番で初詣に行くほどの信仰深さも持ち合わせていない。そうなると、自然と年末年始は家から出ない日が多くなるわけで。
ろくに外にも出ずに食っては寝てを繰り返し、おせちとお酒の交互摂取にいい加減胃と身体が疲れ始めた頃、その日はやってくる。
一月七日。
人日の節句。七草粥を食べる日だ。
セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ。これらの七草を入れた粥を七日の朝に食べて、一年の無病息災を願う。それと同時に、年末年始の飲み食いで疲れた胃を休めるためのものでもあるとか。連日の暴飲暴食でじんわりと痛む腹を擦りながら、先人は偉大だなと独りごちた。
我が家の七草粥はシンプルな白粥ではなく、鶏の手羽先と貝柱で生米から炊く中華スタイルだ。じっくり一時間、弱火でコトコトと火にかけて、出汁をとって旨味を染み込ませる。今は電子レンジに入れるだけで何でも食べられる便利な時代だが、ゆっくり火をかけて温めたものは、人のこころをほんの少しやさしくしてくれる気がする。
湯がいて刻んだ七草をお気持ち程度ちょこんと乗せ、最後にごま油を風味付けで少々たらり。芳ばしい香りが、食べることに疲れていたはずの胃腸をやわらかく擽った。いろんな種類の漬物や薬味を用意すると、ちょっとした贅沢をした気分になる。
とろとろのお粥をスプーンでひと掬い。ふーふーと息を吹きかけて口に運ぶと、ふわりとやさしい風味が広がった。
きっとそろそろ、日常が軽やかな足音を立てて帰ってくる。
※肖像写真は本人の許可を得て撮影・掲載しています。無断転用は固くお断りいたします。