小林リズムの紙のむだづかい(連載567)



清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。

清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

小林リズムの紙のむだづかい(連載567) 
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


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四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムの紙のむだづかい(連載567)

鷹尾俊一彫刻展「像」
日芸江古田校舎 A&Dギャラリー・アートギャラリー
2014年11月5日〜11月22日まで開催
10:00〜18:00(日曜休み)

 【声が出なさすぎる】





 もう4日間もまったく声が出ないから、調べたなかでも一番近くの内科系のクリニックに駆け込んだ。循環系をメインにしている病院のせいか、訪れているのは「かかりつけ医」として利用している常連のおじいさんやおばあさんたちばかりで、病院へ入った瞬間に「誰、この子?」みたいな疎外感があった。

 いたたまれない気持ちになりながら受付に向かうも声が出ない。不審そうな顔をしている受付のおばさんに向かって、声が出ないのでとジェスチャーをすると、おばさんはにこっと笑って問診票と体温計を渡してくれた。

症状:咳が出る。声が出ない。

待ち時間が30〜40分ほどかかるといわれたので、病院のソファで土屋賢二佐野洋子のエッセイをぱらぱらと読みながら時間をつぶした。文章が頭に入ってこなくて本を閉じた頃、異国籍の女性が倒れ込むように病院に入ってきた。
「昨日、ココ、キタヨ。喉、イタクテ。治ラナイカラ、マタ、キタ」
フィリピンとか東南アジア系の顔立ちをした中年女性だった。目がとろーんとしていて、かなり体調が悪そうだった。
「私、57サイ。57サイ」
 と年齢を連呼している様子を眺めて、ふと思い出した。私、この異国籍の女性としゃべったことがある……。

 たしかあれは半年前ごろ。酔っぱらって終電で帰ってきた日、自宅へと歩いている途中でこのおばさんが具合が悪そうに電柱にもたれかかていたのだ。あまりにもしんどそうだったから、「大丈夫ですか?」と声をかけた。そしたら「あなた、いい人ネー」とぼやーんとした顔で返された。酔っぱらっていた私はコンビニで買ったガリガリ君をその人に押し付けた。すると、「イラナイ、コンナノ」と言われた。それでも私は「具合が悪いときは水分補給ですよ」と言ってガリガリ君を執拗に勧めたのだった。

 はっと思い出したので、びっくりして病院のソファから受付けに立っている異国籍女性を凝視していると、目が合った。彼女はあいかわらずとろーんとした目つきで私を見返してきた。ちっとも覚えていないみたいだった。

 名前を呼ばれたので診療室に向かうと、医者は「どんな症状ですかー?」と朗らかに聞いてきた。声が出ないことを知ると、「ためしに声を出してみてください」と言われた。
「………ビュギャ……ビュギャ」
自分では「あ」と言っているつもりなのに、怪獣の悲鳴のような声しか出ない。それを発することさえも体力をつかう。
「あー、それはひどいですねえ」
自分でも己の怪獣ボイスにショックを受けているのに、「ひどい」と追い打ちをかけられてさらに落ち込んだ。

 処方された薬は6種類。どれも飲む時間や回数が異なって、説明を聞いても覚えられない。風邪なのか気管支が炎症を起こしてるのかもよくわからないらしい。いったいいつになったらしゃべれるようになるのか知りたかったけど、声が出ないから聞けなかった。




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