小林リズムの紙のむだづかい(連載559)

青林堂刊行の『「ガロ」という時代』に「月刊「ガロ」創刊50周年記念に寄せて わたしが魅せられた「ガロ」の漫画家たち」を執筆した。とりあげた漫画家たちは、つげ義春日野日出志白土三平池上遼一勝又進蛭子能収水木しげる滝田ゆう、の八人。百枚ほど書いて、頁数の関係で二十枚ほど削除した。今回の企画に関しては全面協力、わたしの友人たちにも声をかけて執筆していただいた。此経啓助、下原俊彦、山下聖美、猫蔵、荒岡保志各氏にお願いした。



上製本・294頁。定価1800円+税。装丁・森嶋則子

清水正ドストエフスキー論全集』第七巻。2014年7月31日刊行。D文学研究会発行・星雲社発売。A五判上製585頁。定価7000円+税



清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。

清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

小林リズムの紙のむだづかい(連載559) 
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


清水正の著作はここをクリックしてください。

http://d.hatena.ne.jp/shimizumasashi/searchdiary?word=%2A%5B%C0%B6%BF%E5%C0%B5%A4%CE%C3%F8%BA%EE%CC%DC%CF%BF%5D


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。
小林リズムさんがエッセイ本をリンダパブリッシャーズ(http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru)から刊行することになりました。本のタイトルは『どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった八日で辞めた話』発売日四月五日。
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
小林リズムの紙のむだづかい(連載559)


【爪を切る】


 


 夜中に爪を切ると親の死に目にあえない。
 私がお風呂上りに爪を切っていると、おじいちゃんは決まってそんな古めかしい迷信を持ち出して来ていた。おじいちゃんは自分の持っている知識を披露するのが好きで、それは難しい漢字の読み方だったり、雑学だったり芸能ネタだったりいろいろあった。
 マフラーのことは「襟巻」。スプーンのことは「さじ」。ブーツのことは「長靴」。おじいちゃんに「今日は寒いから襟巻をしていきなさい」と言われるたびに「そんな、襟巻トカゲじゃないんだから」と返していたけど、おじいちゃんが襟巻のことを「マフラー」と呼んだのを一度も聞いたことがない。

 私もおじいちゃんの言葉なんておかまいなしに「ああ、なんかあるよねそんな迷信」とつぶやきながらパチパチと自分の指の爪をよく切っていた。

 お見舞いついでにおじいちゃんの爪を見ると伸びていて、しかも汚れていた。ウェットティッシュで指先をふいて「爪切る?」と聞いたら、首を横に振られた。おじいちゃんはたいてい素直じゃないし、遠慮しているのか面倒なのかほとんどのことは「NO」で答えるから、私は「いやでも伸びてるし絶対切ったほうがいいって!切ろう!うん」とひとりで勝手に話を推し進めておじいちゃんの動くほうの手(つまり左手)を強引に引っ張って爪を切ることにした。

 考えてみたら、他人の爪を切るのなんてはじめてだった。愛犬の爪だって怖くて切れないし、自分の爪しか切ったことがない。深爪して指をカットしてしまったらどうしようと思って、なかなか上手に切れない。「痛かったら言ってね!指切っちゃったらごめん!」とは言ったけど、むしろカットするのが恐ろしくて結局1ミリくらい切ったあとにやすりで削る時間のほうが長かった。できあがった左手をおじいちゃんはしばらく眺めてから、今度は右手を切れと指図し始めた。
「右手はだめだよ、点滴ついてるじゃん。点滴がとれちゃったら怖いから無理」
 と私が言っても、左手だけ切られるのが気にくわないらしかった。自分でも意外だったけど私はわりとチキンで、おじいちゃんの右手に刺さった点滴をみると、「爪を切っている間に点滴がとれたらどうしよう」と考えてしまって切れなかった。
「点滴があるんだからこれはちゃんとした人にやってもらわなきゃだめだよ。それより週刊文春でも読んでなよ」
 と強引に週刊誌を押し付けて気を紛らわせた。おじいちゃんは私が切ったデコボコの爪を気にしているようにして触っていた。






小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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