小林リズムの紙のむだづかい(連載526)



清水正ドストエフスキー論全集』第七巻。2014年7月31日刊行。D文学研究会発行・星雲社発売。A五判上製585頁。定価7000円+税



清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。

清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

小林リズムの紙のむだづかい(連載526)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


清水正の著作はここをクリックしてください。

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四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。
小林リズムさんがエッセイ本をリンダパブリッシャーズ(http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru)から刊行することになりました。本のタイトルは『どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった八日で辞めた話』発売日四月五日。
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
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小林リズムの紙のむだづかい(連載526)

【分不相応は可愛いのか】

 


 2対2で水族館に行くことになった。男性陣は綿密に当日の計画を練ってくれる人たちだから、すべてお任せコース。池袋で水族館へ行くということしか知らされていないからカジュアルな服装にサンダルを合わせて出かけた。
 私と友達は彼らと遊ぶことをひそかに「思い出にインする」と呼んでいる。全然色っぽい雰囲気にはならないし、お互いに友達として扱おうと思っているのにも関わらず、不慣れだから異性としか見れなくてぎこちなく、どう接していいのかわからない。ただ、4人ともこれまで獲得できなかった青春を求めてさまよっているのだ。つまりは「男女交流で仲の良い友達同士リア充っぽく遊ぶ」というイベントをしたい。遅い青春をやり直したいし、思い出に残る1ページを刻みたい。そんな感じ。

 それでも、彼らが気を遣ってくれているのがわかるからこちらも気を遣う。「気を遣う」というフィルターがかかると全然仲良くなれない。本音が言えない。「わー」「すごい」という台詞を何度も繰り返すしかなく、話も弾まない。次第に「私はいったい何をしているんだろう」という気持ちになってくる。

 そもそも友達同士が選ぶ遊びスポットとは違う場所をセレクトされるのだ。今回は水族館をまわったあとに、高層階の夜景の綺麗なレストランを予約してもらっていた。もちろん、何も聞いていないからカジュアルすぎる恰好での入店。おそらく小学生以上は個室しかダメ、ジーパンでの入店はお断りされるドレスコードつきのお店だ。ここに行くって聞いてたらサンダル履いてこなかったのに。あきらかに場違いな私たちグループはウェイターさんに遠回しにバカにされていたように思う。

 たとえば、わからないなら間違いのないコース料理を頼むところを、居酒屋ノリで好きなものだけチョイスしていく。前菜も頼まずにメインの小籠包を2つ頼んだときは店員さんに、
「こちら、小籠包パート2ですね」
 と嫌味を言われた。グラスが空になっても呼ぶまできてくれない。いい感じに東京タワーとスカイツリーの一望できる店内のなかで、私たちは完全に異質だった。でも、一度そう思ったらなんだか楽しくなってきた。このちぐはぐなバランスといたたまれなさを、いつか「可愛い思い出」として処理することのできる日がくるかもしれないとも思った。ずーっと互いに無理をし続けるなかで、分不相応でどう頑張っても情けなくなってしまう食事が唯一の無理のない瞬間だった。もしここで彼らがワインの年代を聞いて、グラスをまわして香りをかいで飲み始めたら、私は完全に憔悴していた。

 「高いね」とか「お洒落なお店だね」と素直に言い合えるわずかな本音。「美味しいね」「こんなの食べたことがないよね」と打ち明けるときだけ、素でいられた気がする。





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