小林リズムの紙のむだづかい(連載524)



清水正ドストエフスキー論全集』第七巻。2014年7月31日刊行。D文学研究会発行・星雲社発売。A五判上製585頁。定価7000円+税



清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。

清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

小林リズムの紙のむだづかい(連載524)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


清水正の著作はここをクリックしてください。

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京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。
小林リズムさんがエッセイ本をリンダパブリッシャーズ(http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru)から刊行することになりました。本のタイトルは『どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった八日で辞めた話』発売日四月五日。
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
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小林リズムの紙のむだづかい(連載524)

【弟暗黒時代】

 


 もともと無理と言われていた県内トップの高校を受験して華麗に落ちた弟は、私立高校に通っていた時代を暗黒時代と称している。けれどさすがに制服を着て学校へ行くことを、
「バカの看板を背負って通っている」
 と発言したときは母も開いた口がふさがらなかったらしい。そんな私立高校へお金を払って通わせる親の身にもなれと言いたいけれど、親不孝者の息子(と娘)なのでそこは端折ろう。とにかく弟は暗かったのだ。思春期だったことも原因なのか、全然しゃべらないし家に帰ってきてもすぐに自分の部屋にこもってしまう。当時、笑っていた顔もほとんど思い浮かばない。といっても私は弟が高校1年生のときの姿しか知らず、彼が2年生になるときにはすでに上京していたから残りの2年間は知らないのだけど。

 弟は最初のうちは「高校デビュー」なるものを狙って髪の毛にワックスをつけたりしてお洒落をして通った。弟の学校は地味だったから、ワックスを使ったというそれだけでもう不良みたいな扱いのようだ。最初に行われた模試で好成績をとったときに担任に真剣な顔で「お前のその外見で、この成績はまぐれだ」と言われ、すっかり担任に不信感を抱く。「ああ、この人はそうやって見かけだけで判断する奴なんだって思って嫌いになった」と言っていた。

 それでも私は素朴でチキンな弟が何かに反発したり反抗したりすることなんてないと勝手に思っていた。けど、この間電話で話していたら弟の高校時代の素行は悪かったらしい。もちろん万引きしたり授業中に机を倒して先生に楯突いたりしたわけではなく、もっと地味なことだ。授業中に漫画を読みふけっていたり友達と話していたり寝たり、学校のテスト勉強をまったくしなかったり、その程度。それでも先生からの評判を悪くするには充分だった。

 高校3年のあるとき、弟は大学の受験勉強そのもののやる気がなく推薦で大学へいくことを考えていた。そして偶然、廊下でとある大学の指定校推薦が残っているという話を耳にして、その日の放課後に担任の先生のもとへ「指定校推薦をください」とお願いをしに行ったという。もともともらえる内申書ではあった。けれど先生はすごい形相で弟に、
「お前には指定校はやらん!」
 と言って怒った。授業態度やその他もろもろの生活態度を見たら、ふざけんなという状況だったのだろう。先生に一蹴された弟は家に帰って作文を10枚ほど書いた。自分の気持ちや家庭の状況、指定校の大学でどういったことを勉強したいかという理由を即行で書き連ねたシロモノだった。そして翌日、担任にその作文を提出した。放課後、弟は担任に呼ばれ、
「お前の気持ちはよくわかった。……推薦をやろう」
 という流れになったそうだ。……と、こう書くと、やっぱり弟は腹黒いし大人をバカにしているふしがあるよね。でも姉の私は弟の性格をめちゃくちゃ不器用だと思っていたから、変な要領の良さがあるのだと知らない一面を見た気がした。

 というわけで、そんな弟も大学4年。あと半年もしないうちに大学を卒業する。この間電話をしながら、
「卒業したら高校の担任に会いに行こうかなって思ってる。もらった指定校の大学を卒業したって報告しないと。それに、お酒が飲める歳だから先生と飲みたいかも」
 なんて話していた。それを聞いたとき、私は単純にそれを「いい話」だと思った。弟の暗黒時代はもう終わったし、過去の話。再会した先生と弟はやっぱりまた相容れないのか、それとも意気投合するのか、さあどっちなんだろう。



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