小林リズムの紙のむだづかい(連載521)

小林リズム



『清水正・ドストエフスキー論全集』第七巻。2014年7月31日刊行。Ｄ文学研究会発行・星雲社発売。Ａ五判上製５８５頁。定価7000円＋税



清水正への原稿・講演依頼は 　qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp　宛にお申込みください。ドストエフスキー・宮沢賢治・宮崎駿・今村昌平・林芙美子・つげ義春・日野日出志などについての講演を引き受けます。

清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁　定価1200円＋税

小林リズムの紙のむだづかい(連載521)
清水正への原稿・講演依頼は 　qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp　宛にお申込みください。ドストエフスキー・宮沢賢治・宮崎駿・今村昌平・林芙美子・つげ義春・日野日出志などについての講演などを引き受けます。

Ｄ文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp)　で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正・ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。Ｄ文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価（送料無料）でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


清水正の著作はここをクリックしてください。

http://d.hatena.ne.jp/shimizumasashi/searchdiary?word=%2A%5B%C0%B6%BF%E5%C0%B5%A4%CE%C3%F8%BA%EE%CC%DC%CF%BF%5D


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁　定価1200円＋税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
『ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は 　qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp　宛にお送りください。
小林リズムさんがエッセイ本をリンダパブリッシャーズ（http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru）から刊行することになりました。本のタイトルは『どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった八日で辞めた話』発売日四月五日。
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
小林リズムの紙のむだづかい(連載521)

【理想の規模】

　


「夜中に部屋着とサンダルで牛乳プリンを買いに行って、深夜2時に美味しいねって言い合えるような結婚生活が理想」
　と友達に話したら、
「何言ってんの？　それは理想じゃなくて妥協でしょ。ウケはいいかもしれないけど、女同士なんだから本音で語ろうよ」
　と言われたので、
「えー、じゃあ理想ってどんなの？」
　と聞いてみた。彼女はとても顔が広くて現実的に生きているタイプで、何事に対してもテキパキしていて要領がいい。しぶといし、打算的な面もあるけれどひとりでも生き抜いていける感じがする。でも、
「そりゃあお金がなきゃだめでしょ。恋愛と結婚は違うんだから、もっと経済的な面も考えたほうがいいよ。週末にリムジンに乗って高層階の夜景を見ながら食事が理想だよね」
　と、テンプレ型の回答が返ってきたからちょっと笑ってしまった。で、その失笑が伝わってしまったせいで少し言い合いになった。
「牛乳プリンなんて誰だって買えるし、誰でもいいんじゃん？」
「牛乳プリンがくだらないって思う人はやだ。ていうか、高層階の夜景見て食事してどうすんの？　君の瞳にカンパイとかそういうフレーズが聞きたいの？」
「そうじゃなくて。ワンランク上の自分になるためには、そういう生活は必須だって言いたいの」
　どうやら彼女のなかでは、ワンランク上の自分になるためにリムジンが必要らしい。生活基準をあげないと別の世界はみれないんだって。だから私は具体的に想像してみた。夜中に牛乳プリンが食べたくなったとき、ハイヤーに乗ってとっておきのレストランまで脚を運び、専属のコックをたたきおこし、「今すぐに牛乳プリンを作って！」と注文してみるところを。コックさんは「北海道産の濃厚な牛乳がないので……」と焦るけど、なんとかしてほかの高級牛乳で代用してつくってしまう。そして「はい、こちらが本日のプリンです」とか言いながら、真っ白いお皿にやたらとソースがかかった牛乳プリンを明け方になって運んでくる。有名ブランドのデザート専用の銀のスプーンでプリンをすくうと、甘さ控えめの濃厚な牛乳の香りのするプリン味。必要ないのになぜか「きなこと黒蜜ソースがかけられてコクのある深みになっています」という説明までされる。
　悪くない。なんか贅沢な感じがしていいかも……。それでもやっぱり私は明治の牛乳プリンが好きだし、コクだかなんだか知らないけど牛乳プリンに余計なソースはかけないでほしい。それに牛乳プリンを食べるなら小さいスプーンじゃなくてカレーライス用のスプーンで食べたい。ねえやっぱり私の理想は絶対にリムジンに負ける気がしないんだけど。

　



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