小林リズムの紙のむだづかい(連載486)


清水正ドストエフスキー論全集』第七巻。2014年7月31日刊行。D文学研究会発行・星雲社発売。A五判上製585頁。定価7000円+税



清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。

清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

小林リズムの紙のむだづかい(連載486)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


清水正の著作はここをクリックしてください。

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四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。
小林リズムさんがエッセイ本をリンダパブリッシャーズ(http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru)から刊行することになりました。本のタイトルは『どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった八日で辞めた話』発売日四月五日。
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
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小林リズムの紙のむだづかい(連載486)

【同棲したいと思う瞬間】


 私の幸福の沸点は低い。いや、低いといったら語弊があるけど、お金や時間がすごくかかるようなものを求めてはいない。煌びやかで華やかなものも素敵だとは思うけど、自分がほしいとは思わない。おなかがすいたときに食べたいものが冷蔵庫に入っていたときとか、何も予定がない休日とか、突発的な行動があればそれでもう満足。つぷつぷと泡のはじけるシャンパンにフルーツとか、クルージングディナーデートに対しての憧れがない。

 ただ、夜中にふと思い立ってレイトショーを観に行きたいなと思ったとき、その映画がコメディー系の笑えるやつで、誰かと見たいジャンルのものだったりすると「ああ、誰かと同棲したいな」って思う。

 寝かけている相手を揺すり起こして「今からレイトショー観に行こうよ、すっごい面白そうなの」と報告し、嫌がる相手の上体を無理やり起こして面白そうな映画について力説する。「眠いからやだよ」と最初のうちは乗り気でなかった彼も、映画の内容を聞くうちに「なにそれ、おもしろそうじゃん」と乗ってきて、ふたりそろって超身軽な恰好で映画館に向かう。持ち物はお財布とスマホだけ。ちょっとだけ迷って買ったポップコーンはキャラメルコーンと塩味が半分ずつのやつ。でも塩味のポップコーンの減り具合が速くて、奪い合いになる。「キャラメルポップコーン食べたいって言ったのはそっちでしょ」「甘すぎるんだよ、これ」「じゃあ余ったらちゃんと持ってきてね。明日食べるから」というどうでもいい会話をしながら映画を観る。観終えた映画の感想はそれぞれが心に秘めておく。でもそれじゃあ帰り道があまりにも白々しくなるから、ふたりして浅く映画の感想を言い合う。「面白かったね」とか「変なラストだったね」とか、その程度の。
 家路につく途中では空に星がまたたいていて、月は爪みたいに細い。今日の月は面白い形だね、とか、月が綺麗ですねって言葉はアイラブユーの意味があるんだよとか、伝えたいことはたくさんあるけど結局ふたりしてぼうっと月を眺めながら黙っているだけ。同じ月を見ていても考えていることはふたりとも全然別のことなのかもしれない、とふと気づいてちょっとだけ寂しくなる。でもやっぱり今この瞬間こんなに近くにいるのは紛れもなくこの人なんだと思って、ほっと安心する……感じの、ちょっとほっこりする気分を、味わいたい……! 同棲したい! レイトショー観たい!

 理想は、夜中に見ていたテレビや読んでいた本などの何かしらの影響を受けて、むしょうに牛乳プリンが食べたくなって「ねえ、牛乳プリンをコンビニまで買いに行かない?」「お、いいね。ついでにさけるチーズも食べたいな」「じゃ、それも買おう」「パジャマのまま行っちゃう?」「なんか軽く羽織って、あとはサンダルでいいよな」っていう、超単距離なデート。きらっきらの夜景とか、高価なアクセサリーは、そんなささやかなデートに比べればかすんでしまうと思う。




小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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