小林リズムの紙のむだづかい(連載468)


清水正ドストエフスキー論全集』第七巻。2014年7月30日刊行予定。
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。

清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

小林リズムの紙のむだづかい(連載468)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


清水正の著作はここをクリックしてください。

http://d.hatena.ne.jp/shimizumasashi/searchdiary?word=%2A%5B%C0%B6%BF%E5%C0%B5%A4%CE%C3%F8%BA%EE%CC%DC%CF%BF%5D


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。
小林リズムさんがエッセイ本をリンダパブリッシャーズ(http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru)から刊行することになりました。本のタイトルは『どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった八日で辞めた話』発売日四月五日。
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
小林リズムの紙のむだづかい(連載468)

【騙されちゃいけない】



 友達とバーで飲んでいた。ライトアップされた水槽にはふわふわとクラゲが浮かんでいて、カウンターにはずらりとお酒が並んでいる。見た感じおっしゃれーなバーで、そんなところで飲んじゃってる私たちすごーい的な場所だったから、写真をパシャパシャ撮った。そしてしゃべるしゃべるしゃべるふたり。

「あーあ、なんでこうも恋愛がうまくいかないかね」
「うまくいかない以前の問題で、人のことを好きにならないんだよね」
「ふたりとも警戒心強すぎるのかもね。なんかすごい“騙されたくない!”って思うじゃん?」
「思う思う! あと、傷つきたくないから“いいな”って思う人にも興味ないふりしちゃうっていうか」
「だよねぇ。結局、待ちの姿勢でいるんだよねぇ」
「この前、クリエイト系の商売をする人は人生経験積を豊かにするためにも、いっぱい恋愛しろって言われたんだけどさー」
「え、それ関係なくない? 経験したことしかつくり出せないなんて、クリエイトじゃないじゃん」
「……そうかな? たしかに、ミステリー書いてる人が人を殺しているわけじゃないねー」
「そうだよ、大事なのは想像力だって。同じことを経験しても、なんの身にならない人もいるじゃん? 逆に同じものを見ていても受け取ったり学ぶことが人より10倍くらい多い人もいるし」
「そっかぁ。でもこのままじゃいけない気がする」
「そうだね、このままはよくない」
「なんとかしなきゃ。10年後も同じ会話してたら泣けるよ」
「うわ、それは嫌だ」
「合コン、街コン、社会人サークル、どれにする?」
「どれも嫌」
「せいかーい」

 彼女とは三年近く前に読書会を通じて知り合ってから、よく飲みに行くようになった。本の好みもよく合って、こじらせっぷりも一致していて、恋愛に対するスタンスも似ている。だからずーっと話し続けられる。経験はないのに変に達観している風を醸し出すおばさんみたいだねって笑い合いながら、自虐ワールドを繰り広げ合う。

 スマートフォンにおさめた写真には、お洒落なバーで飲んでいるキラキラしている光景が残っていて、めまいがする。

「さっきから枯れた話しかしてないのにさ、この写真をFacebookとかであげるとキラキラしたリア充みたいにうつるんだよねぇ」
「で、イイネ!とかいっぱい押されて満足するんだよね」
「幸せじゃないのに不思議だよねぇ」

 迷走している23歳と24歳女性のサタデーナイト。
 



 

小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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