小林リズムの紙のむだづかい(連載456)


清水正ドストエフスキー論全集』第七巻。2014年7月30日刊行予定。
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。

清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

小林リズムの紙のむだづかい(連載456)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


清水正の著作はここをクリックしてください。

http://d.hatena.ne.jp/shimizumasashi/searchdiary?word=%2A%5B%C0%B6%BF%E5%C0%B5%A4%CE%C3%F8%BA%EE%CC%DC%CF%BF%5D


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。
小林リズムさんがエッセイ本をリンダパブリッシャーズ(http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru)から刊行することになりました。本のタイトルは『どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった八日で辞めた話』発売日四月五日。
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
小林リズムの紙のむだづかい(連載456)

 【真面目に共感しているふり】



 初対面とか、あまり親しくない人と接するときに、ついつい真面目に共感しているふりをしてしまう。いわゆる猫かぶりなのかもしれない。心の中では相手に突っ込んでいるけれど、それが表に出てこない。ゆえに、腹黒い。

 大学生のころに、今でいう「意識の高い学生(笑)」の集まるセミナーみたいなものに参加したことがあった。有楽町にある大きな会場でセミナーが開かれ、学生たちが意見を飛ばし合う。主催者は有名作家。何冊も本を出していて、ある種のタイプの人間(ギラギラとした夢を追うタイプ)に強く支持され、あがめられていたから、教祖といってもいいんじゃないかと思う。

 そんななかで、ひとりの男の子と仲良くなった。というか、誰もがフレンドリーにふるまう異様な空間のなかで、席が近いだけでも初対面の人と仲良くしないといけない雰囲気だったから、やむを得ず……といった感じだった。
「こんにちは」
「こんにちは」
「今日はなんでこちらに参加を?」
「いやぁ、著書のファンで」
「ですよねー」
 みたいな軽いノリとテンションに合わせる。白いTシャツにジャケットを合わせて着ていた。私は自然とそういう恰好が似合う男性が好きだけど、そういう人と仲良くなれた試しはほとんどない。
 男の子が、マジぱねーっすよね、俺も作家になりたくて、と淡々としゃべりだしたから、そうなんですかぁ、と聞き役に徹する。すると突然、
「実は俺、姉がいたんだけど死んじゃったんだよね。ホストにいれこんじゃって、自殺。それで俺、すげーショックで。ホストのこと恨んで。だから自分でもホストやってみたっつーか。それで、ああこういう職業もあるんだなって思って」
 みたいなことを言いだしたから、私はもうどうしていいのかわからなかった。同情を浮かべた顔で頷く自分を、遠目に見ている自分がいて、ああやっぱり私、他人とコミュニケーションとるの苦手だなと思った。相手の話を聞くというより、相手からどう思われるかを優先している。こんなヘビーな話をされているのに。ネタにならない話をどこかドライな気持ちで聞いている。表向きにはたっぷりと同情した様子を振りまきながら。

 私はいまだに彼がなぜ初対面でそんなことを話したのか、私はどうしてあんなに心が渇ききっていたのかよくわからない。ただ、それから「意識の高い学生」の集まる空間にはぱったりと参加しなくなった。

 

小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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