小林リズムの紙のむだづかい(連載426)

清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。

清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

小林リズムの紙のむだづかい(連載426)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


清水正の著作はここをクリックしてください。

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四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。
小林リズムさんがエッセイ本をリンダパブリッシャーズ(http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru)から刊行することになりました。本のタイトルは『どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった八日で辞めた話』発売日四月五日。
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
小林リズムの紙のむだづかい(連載426)



【人が一緒に暮らすということ】

「え? りっちゃん、キャベツにソースかけて食べるの?」
 母にそう聞かれて、目の前のお皿にのったメンチカツに備え付けられたキャベツをぼうっと眺めた。キャベツには茶色いソースがたっぷりとかかっている。しゃきしゃきとしたキャベツと、酸味のあるソースがよく絡んで美味しい。五年ほど前からこの食べ方が主流になっているけれど、思い返してみれば実家にいる頃は違った。キャベツにはドレッシングかマヨネーズと決まっていた。それが、小林家流の食べ方だったのだ。

 五年前に祖父母宅に居候を始めたとき、私は十八歳だった。身内とはいえ、父母弟以外の人と暮らしたことは初めてで、当初は葛藤もカルチャーショックなるものも沢山あった。髪の毛を乾かしたあとに床にコロコロをかけて髪の毛をとる習慣や、どんぶりの器に盛られるお味噌汁や、夕飯はお米を食べないということも、使ったバスタオルは一晩干してから翌朝に洗濯をするという一連の流れも。小さな「違い」が沢山あって、それがいつの間にか自分の生活に溶け込んで日常と化し、気づくと新しい習慣として受け入れていた。そのなかのひとつがキャベツだったのだろう。そういえば、私も引っ越してから半年くらい経つまでは、机に置かれたソースを無視して、冷蔵庫からマヨネーズを取り出して律儀にキャベツにかけていたこともあった。けれど、久しぶりにキャベツにマヨネーズをかけて食べたら、昔のように「ぴったりの味」とは感じられなかった。舌が変わったのか、好みが変わったのか、何が変わったのか。

 母が結婚をしたとき、父に羊羹を切って出したら「これは色気がないんじゃないかな」と言われたらしい。「羊羹は、1.5センチずつ切るのが上品だよ」という父の言葉に「ああ、そういう食べ方があったのか…!」とかなり感動したそうだ。それまで母は、羊羹を3センチ以上の厚さに切って食べるのが普通のことだと思っていたのだ。それからというもの、だいたい2センチほどにカットした羊羹を食べるのが、ふたりの間でつくられた新たな「普通」となり、その夫婦の間に生まれた私も羊羹はだいたい2センチが「普通」。

 身内以外の人と生活を共にしたことがない私は、いつか友達や恋人と一緒に暮らすということをうまく思い描けない。けれど、一緒に暮らすということがお互いに持ち寄った「当たり前」を崩すことだとしたら、想像している以上にずっと難しくて面白いことかもしれない。小さくてささやかな「当たり前」を変化させて、新しい「当たり前」をつくるのは素敵だと思った。




 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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